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やくざなバイヨン(ジスモンチ) ~デュオ アサド~

Baiao Malandro(やくざなバイヨン)
作曲: Egberto Gismonti
演奏: Duo Assad


ブラジルの誇る大作曲家ジスモンチによるやくざなバイヨンを、同じくブラジル出身の偉大なるギターデュオ アサド兄弟が演奏した、グルーブ感と疾走感の半端ない曲です。バイヨンと言うのはリズムというか、ダンスや民族音楽の名称です。でも、じゃバイヨンって何?、と聞かれると、説明に困りますよね。そんなとき、この曲のノリですよ、と言える曲の1つがこの「やくざなバイヨン」ではないか、とおもっています。

バイヨンはブラジルのバイーア州で生まれました。というか、バイーア州発祥だからバイヨンと呼ばれるようになった、という方が適切でしょう。さて、ブラジルのバイーア州、と言えば何か思い出す曲はありませんか?

そうです、我らがディアンスのサウダージNo.3ですね!サウダージNo.3には副題があり、「F.Kleynjans に捧ぐLembranca do Senhor do Bonfim (ブラジル バイーア州 ボンフィン教会のお土産に)」となっています(みんな知ってたよね!?)。若かりしディアンスがブラジルを訪れた際に、その思い出を曲にしたのがサウダージNo.3ですね。もちろんサウダージも、バイヨンに分類される曲です。ここで紹介した2つの楽曲、楽譜におこしてアクセント記号を書くと違うリズムになるのかもしれませんが、そこから導き出されるノリには確かに共通するものがあるように思います。それこそがブラジルの、バイヨンなんでしょうね。


冒頭で紹介したやくざなバイヨンは、その名も「ブラジルの魂」と言うCDに収録されています。アサドがアントニオ・カルロス・ジョビンに捧げた名曲ジョビニアーナなども収録されていて、非常にお勧めの1枚ですよ。

ところで、この記事を書いていて気づきました。ディアンスがこの曲を書いたのは1980年、1955年生まれのディアンス若干25歳での傑作です。それは知識としてあったのですが、その時本楽曲を捧げられたクレンジャンスは、1951年生まれでまだ20代の29歳だった計算になります。お互いに若いころからその才能を認め合っていたのですね。

郷愁のギタリスト オーガスチン・バリオス

先日、仕事で長時間飛行機に乗る機会がありました。
飛行機では機内エンターテインメントシステムを触って映画を見たりして時間をつぶすわけですが、音楽は何が入っているのか探していると、なんと「郷愁のギタリスト バリオス作品集」なんてのが取り上げられていました!

バリオスは、パラグアイ出身のクラシックギタリストで、ギタリストのための偉大な楽曲を多数残しています。彼には色んな逸話が残っており、ギター一本持って諸国を放浪しただとか、かのセゴビアと仲が悪かった(嫌われていた?)とか、、
その中で現代のギタリスト泣かせなのが、「彼は手がものすごく大きかった」と言うものです。

実際、私も彼の曲にいくつか挑戦したことがありますが、これは物理的に手が届かんやろ!ってところが結構出てきますので、これは伝説とかではなく事実なのでしょうね。これは本当につらい。。ピアノで言うリストのような存在でしょうか?


ところで、この作品集はタイトルが「郷愁のギタリスト」となっていますが、一曲目はなんと「マヒーヘ」でした。。知らない方のために簡単に説明しておくと、このマヒーヘと言う曲、調性がAメジャーで、タンタカタンタカと軽やかなリズムで奏でられる楽しい曲です。心軽やかにこそなれ、郷愁って感じではないんじゃないか、とつっこみたくなりましたが。

ジョン・ウィリアムスのマヒーヘがこちら。私はもう少しゆっくり目に弾く方が好みかな。


ちなみに、私が一番郷愁を感じるのは、Roland Dyensの「Saudade」・・ではなく、ポルノグラフィティの「サウダージ」・・でもなく、
GLAYの「Way of Difference」の間奏ギターソロの「きゅぁーーー」ってのを聴いたときですw クラシックギターじゃないのか、と言う・・好きなんだから仕方ない。なんていうか、胸をかきむしられるような感じがして、懐かしく美しいけど悲しい、本当に夕日を見ているときのような気持ちになるんですよね。

エレキはおいておいて、クラシックギターだと、それこそバリオスの「大聖堂」第1楽章の出だしとかは胸に来ますね。「最後のトレモロ」も、胸にグッとくる。神様の慈悲に免じてお恵みを、と乞うた老女のノックの音に由来する、とか、バリオスの遺作だ、と言うエピソードも、作品の魅力となっていると思います。

パク・キュヒさんの最後のトレモロがこちら。パクさんのトレモロは本当に美しくて、これを聞くと自分でトレモロ弾きたくなくなります(いや、まぁ弾くんですけどね)。。


そう言えば、確か戦闘機ゲーム「エースコンバット」のシリーズの何かで(サイドワインダーだったかな・・記憶があやふやですが・・)、オープニングの最初に吟遊詩人が酒場に入ってきて戦争が始まった背景を歌う、と言う場面がありまして、そこで流れてきたのが大聖堂の第1楽章だっと思います。今思い出しました。かなり怪しい記憶ですが、いい選曲だなぁと思ったのを覚えています。

私も、GLAYにもバリオスにも負けないように、1音で人の心を動かせる郷愁のギタリストを目指し精進したいと思います。

※2012/7/14の記事を加筆再投稿しました※

BLUE (家高毅)

※本記事2010年9月8日に投稿した記事の加筆再投稿です
このサイトを作ったきっかけの一つである、家高毅さんの"BLUE"の演奏投稿、および彼についての記事を一つにまとめてみます。私も、彼が歩みを止めた年齢に近づいてきたようです。X JapanのHideの年齢を超えたときも不思議な思いがありましたが、家高さんの歳に追いつきつつある、というのもなにか感慨深いものがあります。※


BLUE
ブルー
作曲者:家高毅


岬から見る、海と空の限りない青さをイメージして演奏しています。
元々はエレアコを用い、リバーブをかけて演奏されていますが、このような曲も、クラシックギターで演奏することで原曲とはまた違った優しさを表現できると思います。
原曲からはリピート数を減らして演奏しています。

残念ながら、この曲を書かれた家高毅さんは交通事故で他界されました。
幸運にも彼の残した曲を知ることができた一人として、彼の曲の素晴らしさを少しでも伝えていければと思っています。

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猪居謙 2ndアルバム ”Ricordi” 7月3日発売決定!!

※猪居謙さんの3rdアルバム収録曲、5つのバガデルに関する思い出話を加えて再投稿します※

猪居亜美さんが3rdアルバム「MEDUSA」でメジャーデビューすると先日お伝えしましたが、兄の謙さんも2ndアルバムのデビューが決まっています。と噂で聞いていたものの、亜美さんの件は情報があるのに、謙さんの方はどこにも情報がない・・。

と思っていたら、昨日の猪居信之還暦ギターリサイタルに、情報が書いてありました!

7月3日(水) New Albu,発売決定!!
猪居謙 2ndアルバム「Ricordi」
猪居亜美 3rdアルバム「MEDUSA」

情報は、以上です・・・。いや、もうちょっと何かあってもいいと思うんですけど!まぁ、楽しみに気長に待ちましょう。

お二人のジョイントコンサートも開かれるとのことで、こちらは平日金曜日ですが、時間が作られたらいきたいですね。
猪居 謙&猪居 亜美 CD発売記念ジョイントコンサート
日時:2019年7月5日
時刻:18:30開場、19:00開演
場所:あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホール

※以下、6/25加筆※
猪居謙さんの「Ricordi」の情報が、fontecのサイトで解禁になっていますので、収録曲を引用します。

マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ:悪魔の奇想曲
スタンリー・マイヤーズ:カヴァティーナ
セルジオ・アサド:エリの肖像、カリオカ幻想曲
西森久恭:イタリアの思い出に寄せる2つの小品
シモーネ・イアンナレッリ:「イタリアン・コーヒー(12の小品)」より V 一緒に最後のコーヒーを
ウィリアム・ウォルトン:5つのバガテル

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Guitar Duo KM - Oblivion, A. Piazzolla

私がタンゴの革命児アストル・ピアソラ好きだということは、このブログでもたびたび申し上げてきました。ピアソラに関しては、本人の演奏も含め、ギター以外の演奏もそれなりに聞いています。もちろんギターで演奏されるピアソラも大好きです。ピアソラのギター向け編曲としては、アサド編、ベニーテス編、ビリャダンゴス編などいろいろあります。そんな中、YouTubeで公開されていたオリジナル編曲のデュオが本作品です。

Oblivionは忘却、の意味で、ピアソラが映画向けの楽曲として作成したものです。曲としては、ミルバのボーカルバージョン、クレーメルのバイオリン編などいろいろ名演がある中で、このギターデュオはそれらにひけをとらない素晴らしい演奏ではないか、と思います。



ピアソラらしい1-4-7のミロンガのリズムに乗って聞こえる美しい旋律。それを、太くしかし優しく奏でる鉄弦の旋律、美しいナイロン弦のメロディ、随所に現れるハーモニクスの煌めき。音色すべてを使って綺麗に表現しています。先日、クラシックギターの魅力は、消えゆく音の美しさだ、という記事を掲載しました。この演奏は、クラシックギターの魅力を最大限に発揮して、忘却というタイトルに相応しい儚さを表現した、傑作だと思います。2:47~のメロディラインとか、鳥肌ものですね。

いつか誰かとデュオをできるときには、この曲の楽譜を手に入れて演奏したい、本気でそう思っています。