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[傾向と対策⑤] 第44回ギター音楽大賞 上級部門 演奏曲目

※この記事ではコンクールに関する少し繊細な部分に触れることになりますが、入賞された方はもちろん、入賞を逃された方/審査員/運営等すべての方への非難は一切目的としていないことをご理解いただいたうえでお読みいただけると大変ありがたく存じます。※

先日4/27に行われました第44回ギター音楽大賞 上級部門の演奏曲目と受賞者/受賞曲を紹介します。
(同日に行われました、一般部門の記事はこちら


第44回ギター音楽大賞 上級部門 出場10名
2019年度より新設。
・予選(録音審査):ベネズエラ風ワルツ No.2 A.ラウロ
 ※初年度にかぎり、過去5年間の一般部門で入賞したものは予選を免除
・当日は自由曲の演奏のみ。演奏順は当日の抽選にて決定

〇入賞者および演奏曲目 氏名の前の数字はエントリーNo.(50音順)を示す
金賞   2. 阿高 寛帆さん: ギター讃歌 E.S.デ・ラ・マーサ
銀賞   3.今津 彩子さん: あるタンゲーロの死に寄せる哀歌 第2、3
銅賞   5.蔵本 浩史さん: メヌエット op.11-6、コンポステラ組曲より プレリュード F.モンポウ
奨励賞  1. 麻尾 佳史  : カプリッチョ F.クレンジャンス
奨励賞  9. 徳永 大地さん: アッシャーワルツ N.コシュキン

以下、他の演奏曲目
朱色の塔 I.アルベニス
セビリアーナ J.トゥリーナ(2名)
BWM1006a プレリュード J.S.バッハ
3つのメキシコ民謡 I,II,III M.M.ポンセ

審査委員長 猪居謙さんの講評。
普段からホールを意識した練習を。指と爪だけで音をだすのでなく、腕や肩、全身で音を響かせる意識を。とのことでした。これは今の私の大きな課題の一つだと思います。

金賞を受賞された阿高さんの演奏曲ギター讃歌。作曲は暁の鐘で有名なデ・ラ・マーサです。私、この曲知らなかったんですよ。今回のエントリーで曲名を知って確認したレベルですが、美しい曲ですね。ポンセの「3つのメキシコ民謡」も知らなかった。舞台袖で演奏を聴きましたが、これもいい曲で、いい演奏をされていました。しかし、私の弾いたクレンジャンスもめちゃくちゃいい曲ですよ!今のところなぜかYouTubeにも見当たらない隠れすぎた名曲なので、また演奏を公開したいと思います。


審査員の方とお話ししたときに、「演奏者の体調はもちろん、演奏順や客の入り方などで結果が変わるような、同じ人同じ演奏曲で次の日にもう一度審査したら順位が変わるような接戦でしたよ」とのお慰め?の言葉をいただきました。でも逆に言うと、そこにこそ埋められない差があるようにも感じるんですよね。。というわけで、今回は何を書いても悔しさが先行してしまうため、純粋な曲目紹介でこのまま終わります。

過去の傾向と対策シリーズ
傾向と対策④ 第44回ギター音楽大賞 一般部門 演奏曲目
傾向と対策③ 第43回ギター音楽大賞 一般部門 演奏曲目
傾向と対策② 第42回ギター音楽大賞 一般部門 演奏曲目
傾向と対策① 第41回ギター音楽大賞 一般の部 演奏曲目

[傾向と対策④] 第44回ギター音楽大賞 一般部門 演奏曲目

※この記事ではコンクールに関する少し繊細な部分に触れることになりますが、入賞された方はもちろん、入賞を逃された方/審査員/運営等すべての方への非難は一切目的としていないことをご理解いただいたうえでお読みいただけると大変ありがたく存じます。※

先日4/27に行われました第44回ギター音楽大賞 一般部門の演奏曲目と受賞者/受賞曲を紹介します。

今年の特徴をあえて挙げるならば、2つ。金賞銀賞が「エチュード」で占められたこと。銅、奨励賞の演奏曲目は他の演奏者と重複していたこと。

実は、最近になってようやく私が実感できるようになったことがあります。楽譜の解釈/理解に基づいた演奏と、耳や指で覚えた演奏には違いがある。ある種通説であるこの事実を、自分の感覚として分かるときが出てきました。それからは今まで以上に、音楽が楽譜から始まることの素晴らしさと怖さを胸に刻んで楽譜に向き合うようにしています。これは、気持ちの昂ぶりに従って弾くこととは矛盾しないと思うんですね。

エチュードや定番の重複曲から受賞曲が出る、こういったある意味当たり前の結果を受け止めるにあたり、曲の解釈/楽譜との向き合い方を改めて考えることが重要なのではないかと感じました。

一般部門審査員長 足立由香里先生の講評としては、基礎練をしっかりすること、自分の楽器の音の大きさを知ること、というポイントと合わせて、「表現しようとしてリズムを崩しすぎず、節度をもって」というものがありました。これは「あくまで楽譜を忘れないでください」ということに帰す類のものだと私なりには解釈させていただきました。


第44回ギター音楽大賞 一般部門 出場26名
〇入賞者および演奏曲目(氏名の前の数字は演奏順を示す)
金賞  25. 太田 俊彦さん: エチュード第8番 G.レゴンディ
銀賞  19.志間 史崇さん: エチュード第1番、第11番 H.ヴィラ=ロボス
銅賞  24.中村 文さん:  アラビア風綺想曲 F.タレガ
奨励賞  2. 田中 かすみさん:プレリュード第1番 H.ヴィラ=ロボス

以下、他の演奏曲目

リュート組曲 BWV997 プレリュード J.S.バッハ(2名)
澄み切った空 Q.シネシ
パッサカリア S.L.ヴァイス
マルボローの主題による序奏と変奏 Op.28 F.ソル
リブラ・ソナチネよりフォーコ R.ディアンス
フーガ BWV1000 J.S.バッハ
そのあくる日 R.ゲーラ
ワルツ第3番 A.バリオス
母の涙 J.O.ケイロス
アラビア風綺想曲 F.タレガ
グランワルツ F.タレガ
スペイン風セレナーデ J.マラッツ(タレガ編)
カヴァティーナ組曲よりプレリュード、ダンサ・ポンポーサ A.タンスマン
ギターのためのソナタより第1楽章、第4楽章 A.ヒナステラ
タレガ賛歌 ガロティンとソレアレス J.トゥリーナ
ワルツ ホ長調 Op.32-2 F.ソル
サパテアード R.S.デ・ラ・マーサ
BWV998 プレリュード J.S.バッハ
乙女の祈り T.バダジェフスカ
大聖堂より第2、第3楽章 A.バリオス
プレリュード第1番 H.ヴィラ=ロボス
ヘンデルの主題による変奏曲 M.ジュリアーニ

※この第41回ギター音楽大賞から始めたこのシリーズ、見てる人いるのかなぁ、と思っていたら、なんと今44回の入賞者の方とご挨拶したときに「ブログの演奏曲目見ました」と言っていただけました。いや、嬉しかったです。

過去の傾向と対策シリーズ
傾向と対策③ 第43回ギター音楽大賞 一般部門 演奏曲目
傾向と対策② 第42回ギター音楽大賞 一般部門 演奏曲目
傾向と対策① 第41回ギター音楽大賞 一般の部 演奏曲目

コンクールの意義

先日3/9放送の「題名のない音楽会」では、「世界の音楽コンクールを知る休日」とのタイトルで主にピアノのコンクールにまつわる話が取り上げられていました。

いわく、音楽コンクールの目的は、「若手音楽家が羽ばたくきっかけを作る」ことであり、「賞金よりも、副賞でついてくる各地でのコンサート開催権の方が大事」と言った内容でした。

音楽ではありませんが、コンクールと言って思い浮かぶのは漫才コンクールのM-1グランプリ。M-1開始当時に出場資格が結成10年までの若手に限定されていたのは、島田紳助が「芸人を辞めるきっかけをつくる」という目的からであった、というのは有名な話です。

夢を応援する場であると同時に、夢を諦める場でもある、というのはコンクールの非常に重要な二面性を表していますね。
翻って自分のようなプロを目指す立場でないものにとっては、「夢を諦めない」ための場を与えていただけているのではないか、とも感じています。どのようなことも、辞めてしまうのは簡単なもので、あっさりしたものです。気が付けば止めていることのなんと多いことか。

そんな中、趣味を諦めない、続けられる、そういうための場としてコンクールをうまく活用できれば、と思います。もちろんコンクール以外でも、趣味を続けられるための場所や仲間が見つかれば、それは仕合せなことですね。

#ブログも、ちょっと気を抜くとすぐに更新が止まってしまいます。。。
#心を入れ替えて、少しずつでも更新頻度を上げたいなと思っている今日この頃です。

[傾向と対策③] 第43回ギター音楽大賞 一般部門 演奏曲目

※この記事ではコンクールに関する少し繊細な部分に触れることになりますが、入賞された方はもちろん、入賞を逃された方/審査員/運営等すべての方への非難は一切目的としていないことをご理解いただいたうえでお読みいただけると大変ありがたく存じます。※

第41回、第42回のギター音楽大賞に引き続き、第43回ギター音楽大賞 一般部門に出場された方の演奏曲目を下記にまとめます。今回、私は演奏順の関係もありほとんどの演奏を聴く機会がありませんでした。しかし、客席で聴くことのできた限られた演奏や、控室/舞台袖で聴いた演奏から推測するに、非常にレベルが高かったのでは、と思います。むしろ、出場人数の増加、大賞部門とのダブルエントリーされる方もいる現状、さらに演奏曲目などを鑑みるに、レベルが高い、というより高すぎるような気すらします。

そんな中、今回一般部門の審査員長を務められた岩崎慎一先生より、表彰式にて次のような講評がありました。要旨のみですが、「コンクールと言うことで難曲/大曲に取り組んだ結果、ミスを恐れて縮こまっている方が多い印象を受けた。大賞部門でなく一般部門なのだから、曲の難しさにとらわれずに、自分らしさを発揮できる曲を選択してほしい」と言った内容です。そのメッセージとともに、と言うことだと(勝手に)予想するところでは、今年は審査員特別賞の表彰がありました。

さすが岩崎先生、と嘆息するしかない内容ですね。このブログの「傾向と対策」、という無謀な内容のすべてを見透かされたような発信でした。。苦笑 何はともあれ、、コンクールに出場すると言うことが、自分の力量だけでなく審査員の慧眼を信じることに通じる、ということをこの3年で痛感しました。逆に、こう言った信頼感がなくなるときは、そのコンクールへ参加する熱意がなくなるときのようにも思います。逆の観点からは、この講評には岩崎先生を始めとする審査員の先生方の「審査に対する本気と覚悟」が見えた気がし、感銘をうけました。

少なくとも私は、今回のこの岩崎先生の発信、そしてもちろんこれまでの審査結果を通して、このコンクールに携わる方々への信頼はさらに増し、その審査員方に評価いただきたい、との思いも強まりました。ぜひ来年も参加し、そして、適切な表現が正当に評価いただけるとの信頼に基づき、飛び道具的でない自分らしい曲を準備しようと思います。



第43回ギター音楽大賞 一般部門 出場29名
〇入賞者および演奏曲目(氏名の前の数字は演奏順を示す)

金賞  27. 蔵本 浩史さん:プレリュード P.98、ファンタジーNo.7 P.1 J.ダウランド
銀賞  17. 中子 真矢さん:大聖堂 A.バリオス
銅賞  13. 後藤 潤一さん:グラナダの花 A.バリオス
奨励賞 26. 麻尾佳史:アパラチアの夢より 第4楽章パトニー讃歌、第5楽章フィナーレ J.デュアルテ
奨励賞 24. 阿高 寛帆さん:椿姫の主題による幻想曲 J.アルカス(タレガ編)
審査員特別賞 9. 田中かすみさん:花は咲く 菅野よう子(佐藤宏和編)

以下、他の演奏曲目

スペインのフォリアによる幻想曲 F.ド・フォッサ
プレリュード第1番 F.タレガ
愛の歌 J.k.メルツ
スペイン舞曲第10番 E.グラナドス
ハンガリー幻想曲 J.K.メルツ
ヘンデルの主題による変奏曲 Op.107 M.ジュリアーニ
セビリア風幻想曲 J.トゥリーナ
BWB997よりジーグ、ドューブル J.S.バッハ
粉屋の踊り M.デ・ファリャ
スペインのフォリアによる変奏曲 M.ジュリアーニ
プレリュード第2番 H.ヴィラ=ロボス
トリーハ F.M.トローバ、ラグリマ F.タレガ
トリプティコ第1楽章 J.ロドリーゴ
6つの小品Op.32より第3番、第1番 F.ソル
オラシオン A.バリオス、ベネズエラ組曲よりI.レヒストロ A.ラウロ
11月のある日 L.ブローウェル
母の涙 J.O.ケイロス
サウダージ第3番 R.ディアンス
リブラ・ソナチネよりフォーコ R.ディアンス
唄と踊り第1番 R.ピポー
ギターの為のトッカータ 伊福部昭
エチュード第1番 G.レゴンディ
ワルツ第4番Op.8-4 A.バリオス

関係記事
傾向と対策② 第42回ギター音楽大賞 一般部門 演奏曲目
傾向と対策① 第41回ギター音楽大賞 一般の部 演奏曲目

傾向と対策② 第42回ギター音楽大賞 一般部門 演奏曲目

※この記事ではコンクールに関する少し繊細な部分に触れることになりますが、入賞された方はもちろん、入賞を逃された方/審査員/運営等すべての方への非難は一切目的としていないことをご理解いただいたうえでお読みいただけると大変ありがたく存じます。※

前回の記事に引き続き、第42回ギター音楽大賞 一般部門に出場された方の演奏曲目を下記にまとめます。この記事から訪問された方は、もしよろしければ前回の記事を軽くお目通しいただいた上で本記事をご覧いただけるとありがたいです。

第42回ギター音楽大賞 一般部門 出場23名
〇入賞者および演奏曲目(氏名の前の数字は演奏順を示す)

金賞  15. 田中菜月さん: マルボローの主題による変奏曲 F.ソル
銀賞  10. 内藤弥頼さん: 大聖堂より第二楽章、第三楽章 A.バリオス
銅賞  7. 小島晴子さん: 3つのスペイン風小品より パッサカリア J.ロドリーゴ
奨励賞 9. 岩松知宏さん: 5つのバガデルより第1番 W.ウォルトン
奨励賞 8. 麻尾佳史: アッシャーワルツ N.コシュキン

以下、他の演奏曲目
この道 I.サビオ
25のエチュードより第24番、第25番 Op.60 M.カルカッシ
BWV1000 フーガ J.S.バッハ
ソナチネより第一楽章 F.M.トローバ
リブラ・ソナチネ 第三楽章 フォーコ R.ディアンス
プレリュード第5番 H.ヴィラ=ロボス(2名)
そのあくる日 R.ゲーラ
大聖堂より 第三楽章 A.バリオス
ワルツ第4番 Op.8-4 A.バリオス(3名)
プレリュード第1番 H.ヴィラ=ロボス
スペイン舞曲第10番 E.グラナドス
12のプレリュードより第1番 M.M.ポンセ
ドビュッシーの墓のための讃歌 M.デ.ファリャ
愛の歌 J.K.メルツ
天使の死 A.ピアソラ

今回は、ヴィラ=ロボスにバリオスのド定番曲での複数エントリーが多発し、奏者も審査員の方も戸惑われたのではないかとお察しします。そんな中で王道の名曲が金銀銅にずらり並ぶことで、裏付けのある解釈と表現はきちんと評価される、ということが示され、奏者にとっても審査員の方にとってもよかったのではないでしょうか。逆に私は前41回を踏まえた結果「アッシャーワルツ」と言うちょっと飛び道具的な曲を選んでしまったので、なんだか悔しさや申し訳なさ(誰にだ・・)でちょっともやもやが残りました。傾向と対策するんじゃなかった・・?まぁ、でも大好きで思い出も思い入れもある曲なので、しっかり向き合うことができてよかったです。コンクールに出てみて、いつも以上に一つの楽譜を繰り返し見つめ返し考えることができることは大きな意義だと思うようになりました。