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STRENGTHS FINDER2.0 ~さあ、才能に目覚めよう~

※2019/5/30 追記※
私事ですが(それを言ったらこのブログ全部だ)、この5月で職場異動となり、職種が変わりました。同じ事業内なので顔見知りばかりではありますが、仕事内容が変わり、立場が変わると見え方や感じ方が色々新しくなり、新鮮に楽しでいます。異動仕立ての割に予想していたより忙しくはありますが。

組織/仕事があたらしくなることで、自分の役割やキャリアパスを一新する必要が出てきました。自分の強みと弱みを再確認したい、とのことで本記事の本を再活用しています。
※追記ここまで※



STRENGTHS FINDER2.0 ~さあ、才能<じぶん>に目覚めよう~
トム・ラス著、古谷博子訳 日本経済新聞出版社

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作家のマーク・トウェインは、死後、天国の門で聖ペテロと出会った男の話を書いている。男は生涯抱いていた疑問を賢人として知られる聖ペテロにぶつけた。
「聖ペテロ、私はずっと歴史に関心がありました。誰が史上最高の将軍ですか」
聖ペテロはすぐに答えた。「簡単だ。あそこにいる男だよ」
「何かの間違いでしょう」。男は当惑した。
「彼とは地上で知り合いでしたが、ただの労働者でしたよ」
「友よ、そのとおりだ」。聖ペテロは答えた。
「彼は史上最高の将軍だった。もし彼が将軍になっていたらね」
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P29 より引用

間違った方向に向かった努力をするのではなく、自分の持つ才能に対して投資をすることで強みにしよう、というのが本書の考えであり、それを表す逸話として上記引用部分が語られています。

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わかる!使える!スポーツメンタルバイブル

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「自信を持て!」というより、(中略)胸を張れというように、行動を変えた方がメンタル面の強化に効果的です。
「そもそも「自信を持て」とか「平常心でいけ」といわれても、具体性がないのでどうしていいかわかりません。このような精神論的な言い聞かせや、決意表明的な言葉では、具体性がないので、メンタル面を強化しようがないのです。」
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わかる!使える!スポーツメンタルバイブル(笠原彰著、学研プラス) 本文より抜粋(P22)


先日投稿した「ストレス反応の正体を知る」という記事は、音楽演奏の観点やメンタルヘルス全体に関する文献をもとに作成しました。けれども、一般的にメンタルトレーニングという言葉が浸透しているのはスポーツの世界ではないのかな?と言うことで、先日図書館に行った際、スポーツメンタルに関する書籍を借りてきました。

わかる!使える!スポーツメンタルバイブル(笠原彰著、学研プラス)


この本の優れているところは、メンタルに関する本であるにもかかわらず、所謂「精神論」は語られないところです。精神的なことは見えず、変わったどうかもわからない。なので、行動を変え、思考を変える。「何をすべきか」に結び付けられるところが重宝できると感じます。

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FIREFLY

FIREFLY, 本多孝好著 MOMENT (集英社文庫)に収録

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死ぬ前にひとつ願いが叶うとしたら・・・・・。病院でバイトをする大学生の「僕」。ある末期患者の願いを叶えた事から、彼の元には患者たちの最後の願いが寄せられるようになる。
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6月、梅雨の季節ですね。じめじめしてあまり好きではない季節ですが、この季節の楽しみがあります。それは蛍です。今年も、妻の実家へ蛍を見にやって来ました。

妻の実家は自然の豊かなところにあり、この時期は少し歩いたところの川沿いで、綺麗な蛍を見ることができます。

蛍と言うと思い出す小説が2つあります。1つは、宮本輝の芥川賞受賞作の「螢川」。そしてもう1つが、本多孝好による「FIREFLY」です。

螢川は、蛍と言う可憐で繊細な存在が大群で現れ、圧倒的な迫力と生命力で描かれるラストが印象的です。生と死、友情と恋心、そのほの暗い語りが最後にたどり着く情景は、読んでみないとわからない凄みを持っています。

対して、FIREFLY は、か細く舞うその緑の光に、登場人物たちの思いが乗せられます。

蛍に亡くなった伴侶を重ねる老人。蛍は、亡き故人の想いを運ぶ象徴として描かれます。亡き人の想いが蛍となって現れるのか、それとも亡き人に会いたいという想いが蛍に故人の影を見つけ出すのか。普通に考えられば後者でしょう。しかし、それだけで済ませられない感傷と余韻が、むしろ会いに来て欲しいという願いすらこの物語には散りばめられているように思います。

かのピーター・ドラッカーは、「何をもって憧えられたいか」と言う言葉を残しました。これは、自己実現や社会貢献と言ったものと結びつけて考えられかも知れません。しかし、そんな大それたものでなくとも、誰しも根源には承認欲求を持っているのではないでしょうか。

覚えていて、忘れないで。思い出して。そんなささやかな思いが、胸に響きます。




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「見て欲しかったのよ。私のこと。上田早苗っていう女のこと。昔はどんな学生だったのか、どんな会社へ行ってたのか、どんな男と付き合ってたのか、そのあとはどんなところで働いてたのか。ざっとでいいから、一通り見て欲しかったの」
「どうして?」
「どうしてかな。よくわからない」

光が上田さんの髪に止まった。気づかずに上田さんは続けた。
「ただ、もしこれから何年も何年も時が経って、もし今年と同じような夏がきたら、君はきっと私のことを思い出す」
「思い出さないですよ」と僕は言った。「僕はそんなに優しくない」
「思い出すわよ」と上田さんの声が柔らかに言った。「君はそれほど利口じゃない」
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今日の晩は蛍を見て、この物語のことや会いたい人、会えない人の事、色々の事に想いを馳せてこようと思います。

ところで、この「FIREFLY」には、ここには書いていない簡単な謎もあって、物語の最後にそれが明かされる仕掛けになっています。「こんなの」「ずるい」とおもわず呟いてしまいます。上田さん、こんなのずるいよ。

人の最期を看取る、と言う題材ではあり、MOMENT と言う本自体は読む人を選ぶ側面があるかもしれません。それでもこのFIREFLY は傑作。この一作のためだけでも買う価値がある、と強く思います。


Mindfulness

自分でできるマインドフルネス:安らぎへと導かれる8週間のプログラム 安らぎへと導かれる8週間のプログラム
マーク・ウィリアムズ、ダニー・ペンマン 著 佐渡充洋、大野裕 監訳

すっかりご無沙汰しております。

とある事情から、最近 ”Mindfulness” の勉強/ 実践に取り組んでいます。
これを私なりの言葉で説明すると、仏教などで伝統的に引き継がれてきた瞑想から宗教的な側面を取り除き、瞑想の実践そのものの中に安らぎを見つけよう、とするものです。(瞑想だとか安らぎだとかいう言葉を使うと少しばかり胡散臭さを感じられる方もいるかもしれませんが、マサチューセッツ大学で研究され医学的見地からの有効性も確認されています。)

この中では、特に「呼吸」を通じて今に集中する訓練を行っています。基本的に音声ガイダンスに基づき瞑想をしており、その中では、「瞑想中に心がさまよっても、それは悪いことではありません。心がさまよったことに気づき、そして意識を呼吸に戻します。」という内容が繰り返されます。

このマインドフルネス、生活全般や仕事などに活かせるのはもちろんのこと、ギターにも活かすことができるように感じます。演奏中に心がさまようことは起こりがちな問題ですよね。今まさに取り組んでいるパッセージとは違う先の難所が心配になったり、誰かの咳払いや視線がやけに気になったり・・。そんなときに、心がさまよっていることをただ認識、それの善悪を判断するのではなく、単にまた演奏に集中する。これは非常によい訓練になりますね。

また、瞑想自体の中で、呼吸の仕方や身体の状態との向き合い方も学べるため、自身の演奏に関して精神的な問題を課題と考えてらっしゃる方には大いにお勧めできると思います。

私は、自分でできるマインドフルネス:安らぎへと導かれる8週間のプログラム(創元社)で勉強中です。興味ある方は一緒にいかがでしょうか。

※この本、内容は素晴らしいと思いますが、付属CDの声はそこまでやすらがないですね・・(失礼)。単なる一時的な安らぎ目的なら、クラシックギターの音色の方がほっとします。w




Sidewalk Talk

突然ですが、問題です。人間の五感の中で一番記憶に直結しているのは何かご存じですか?私はこの答えを、ある小説の中で知りました。今日はその小説の話もしたいと思いますので、少しネタばれを含みますのでご注意ください。

※別にミステリーではありませんので、このネタを先に知っていたとしても物語の魅力は何ら失われないと思います。



この話が載っているのは本多孝好さんの「Sidewalk Talk」と言う短編小説で、祥伝社の「I LOVE YOU」と言うアンソロジーに収録されています。

この物語は、五年間続いた結婚生活に終止符を打とうとしている夫婦の話です。夫婦生活最後の晩餐が、学生時代の出会いやこれまでの出来事に関する主人公(男性)の回想を交えながら進んでいきます。そして、食事も終わりこれで本当に最後と言う時に、突然彼を激情が襲います。圧倒的な何かが体を通り抜け、眩暈すら感じたのは、・・彼女がつけてきた香水のせいでした。そして・・。

と言うわけで、冒頭の問題の正解は「匂い」です。嗅覚を司るのは大脳の旧皮質で、その両側にあるのが海馬と言って記憶を司る部分。だから嗅覚は五感の中で一番記憶に直結しているらしいです。ちなみに、この記事を書くにあたって少し調べてみると、匂いは脳の原始的な部位に繋がっているため、記憶だけでなく感情にも影響するらしいです。

私は、実際にこのような経験をしたことがあります。電車に乗っていて、昔好きだった女の子がつけていた香水の匂いがしてきて、びくっとして振り返ったことがあります。匂い一発で何か昔にがつーんと引き戻される感じ。主人公の言葉を借りるなら「圧倒的な何か僕の体を通り抜ける」感覚。過去に自分がそのような経験をしていたからこそ、この物語がとても好きになったのかも知れません。

本多孝好さんの魅力の一つは透明感だと私は思っています。その透明感の中で、「匂い」と言うものを媒体にして、こみ上げて来る記憶や感情が効果的に描がかれています。この雰囲気・感覚が大好きでこの作品は何度も読み返しています。


さて、なぜ今日この話を突然書いたかといいますと、、お盆休みと言うことで昨日クラブの仲間と集まって久しぶりに話をしていて、この話になったのがきっかけです。そして、私の目指す音楽の行き着きたいところは、ここで言う「匂い」のような音楽なので、ブログに書いたわけです。

「1音で世界を変える」、それが究極の目標です。理屈抜きに問答無用で心に突き刺さる、匂いのような音楽。聞いていて、ふと昔どこかで見た風景を呼び戻す、とか、なぜか涙が出そうになる、とかそう言う空間を生み出したいのです。伝わりにくいかも知れないけれど、匂いで感情を呼び起こされたことのある人だけでも通じてくれたら嬉しいです。


さぁ、爪を磨きますか・・っ!