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[傾向と対策③] 第43回ギター音楽大賞 一般部門 演奏曲目

※この記事ではコンクールに関する少し繊細な部分に触れることになりますが、入賞された方はもちろん、入賞を逃された方/審査員/運営等すべての方への非難は一切目的としていないことをご理解いただいたうえでお読みいただけると大変ありがたく存じます。※

第41回、第42回のギター音楽大賞に引き続き、第43回ギター音楽大賞 一般部門に出場された方の演奏曲目を下記にまとめます。今回、私は演奏順の関係もありほとんどの演奏を聴く機会がありませんでした。しかし、客席で聴くことのできた限られた演奏や、控室/舞台袖で聴いた演奏から推測するに、非常にレベルが高かったのでは、と思います。むしろ、出場人数の増加、大賞部門とのダブルエントリーされる方もいる現状、さらに演奏曲目などを鑑みるに、レベルが高い、というより高すぎるような気すらします。

そんな中、今回一般部門の審査員長を務められた岩崎慎一先生より、表彰式にて次のような講評がありました。要旨のみですが、「コンクールと言うことで難曲/大曲に取り組んだ結果、ミスを恐れて縮こまっている方が多い印象を受けた。大賞部門でなく一般部門なのだから、曲の難しさにとらわれずに、自分らしさを発揮できる曲を選択してほしい」と言った内容です。そのメッセージとともに、と言うことだと(勝手に)予想するところでは、今年は審査員特別賞の表彰がありました。

さすが岩崎先生、と嘆息するしかない内容ですね。このブログの「傾向と対策」、という無謀な内容のすべてを見透かされたような発信でした。。苦笑 何はともあれ、、コンクールに出場すると言うことが、自分の力量だけでなく審査員の慧眼を信じることに通じる、ということをこの3年で痛感しました。逆に、こう言った信頼感がなくなるときは、そのコンクールへ参加する熱意がなくなるときのようにも思います。逆の観点からは、この講評には岩崎先生を始めとする審査員の先生方の「審査に対する本気と覚悟」が見えた気がし、感銘をうけました。

少なくとも私は、今回のこの岩崎先生の発信、そしてもちろんこれまでの審査結果を通して、このコンクールに携わる方々への信頼はさらに増し、その審査員方に評価いただきたい、との思いも強まりました。ぜひ来年も参加し、そして、適切な表現が正当に評価いただけるとの信頼に基づき、飛び道具的でない自分らしい曲を準備しようと思います。



第43回ギター音楽大賞 一般部門 出場29名
〇入賞者および演奏曲目(氏名の前の数字は演奏順を示す)

金賞  27. 蔵本 浩史さん:プレリュード P.98、ファンタジーNo.7 P.1 J.ダウランド
銀賞  17. 中子 真矢さん:大聖堂 A.バリオス
銅賞  13. 後藤 潤一さん:グラナダの花 A.バリオス
奨励賞 26. 麻尾佳史:アパラチアの夢より 第4楽章パトニー讃歌、第5楽章フィナーレ J.デュアルテ
奨励賞 24. 阿高 寛帆さん:椿姫の主題による幻想曲 J.アルカス(タレガ編)
審査員特別賞 9. 田中かすみさん:花は咲く 菅野よう子(佐藤宏和編)

以下、他の演奏曲目

スペインのフォリアによる幻想曲 F.ド・フォッサ
プレリュード第1番 F.タレガ
愛の歌 J.k.メルツ
スペイン舞曲第10番 E.グラナドス
ハンガリー幻想曲 J.K.メルツ
ヘンデルの主題による変奏曲 Op.107 M.ジュリアーニ
セビリア風幻想曲 J.トゥリーナ
BWB997よりジーグ、ドューブル J.S.バッハ
粉屋の踊り M.デ・ファリャ
スペインのフォリアによる変奏曲 M.ジュリアーニ
プレリュード第2番 H.ヴィラ=ロボス
トリーハ F.M.トローバ、ラグリマ F.タレガ
トリプティコ第1楽章 J.ロドリーゴ
6つの小品Op.32より第3番、第1番 F.ソル
オラシオン A.バリオス、ベネズエラ組曲よりI.レヒストロ A.ラウロ
11月のある日 L.ブローウェル
母の涙 J.O.ケイロス
サウダージ第3番 R.ディアンス
リブラ・ソナチネよりフォーコ R.ディアンス
唄と踊り第1番 R.ピポー
ギターの為のトッカータ 伊福部昭
エチュード第1番 G.レゴンディ
ワルツ第4番Op.8-4 A.バリオス

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