2020/01/21
2月4日から第45回ギター音楽大賞の募集が始まります。応募を検討されている方は、是非申し込みましょう。
※この記事ではコンクールに関する少し繊細な部分に触れることになりますが、入賞された方はもちろん、入賞を逃された方/審査員/運営等すべての方への非難は一切目的としていないことをご理解いただいたうえでお読みいただけると大変ありがたく存じます。※
先日4/27に行われました第44回ギター音楽大賞 一般部門の演奏曲目と受賞者/受賞曲を紹介します。
(同日に行われました、上級部門の記事は
こちら)
今年の特徴をあえて挙げるならば、2つ。金賞銀賞が「エチュード」で占められたこと。銅、奨励賞の演奏曲目は他の演奏者と重複していたこと。
実は、最近になってようやく私が実感できるようになったことがあります。楽譜の解釈/理解に基づいた演奏と、耳や指で覚えた演奏には違いがある。ある種通説であるこの事実を、自分の感覚として分かるときが出てきました。それからは今まで以上に、音楽が楽譜から始まることの素晴らしさと怖さを胸に刻んで楽譜に向き合うようにしています。これは、気持ちの昂ぶりに従って弾くこととは矛盾しないと思うんですね。
エチュードや定番の重複曲から受賞曲が出る、こういったある意味当たり前の結果を受け止めるにあたり、曲の解釈/楽譜との向き合い方を改めて考えることが重要なのではないかと感じました。
一般部門審査員長 足立由香里先生の講評としては、基礎練をしっかりすること、自分の楽器の音の大きさを知ること、というポイントと合わせて、「表現しようとしてリズムを崩しすぎず、節度をもって」というものがありました。これは「あくまで楽譜を忘れないでください」ということに帰す類のものだと私なりには解釈させていただきました。
第44回ギター音楽大賞 一般部門 出場26名
〇入賞者および演奏曲目(氏名の前の数字は演奏順を示す)
金賞 25. 太田 俊彦さん: エチュード第8番 G.レゴンディ
銀賞 19.志間 史崇さん: エチュード第1番、第11番 H.ヴィラ=ロボス
銅賞 24.中村 文さん: アラビア風綺想曲 F.タレガ
奨励賞 2. 田中 かすみさん:プレリュード第1番 H.ヴィラ=ロボス
以下、他の演奏曲目
リュート組曲 BWV997 プレリュード J.S.バッハ(2名)
澄み切った空 Q.シネシ
パッサカリア S.L.ヴァイス
マルボローの主題による序奏と変奏 Op.28 F.ソル
リブラ・ソナチネよりフォーコ R.ディアンス
フーガ BWV1000 J.S.バッハ
そのあくる日 R.ゲーラ
ワルツ第3番 A.バリオス
母の涙 J.O.ケイロス
アラビア風綺想曲 F.タレガ
グランワルツ F.タレガ
スペイン風セレナーデ J.マラッツ(タレガ編)
カヴァティーナ組曲よりプレリュード、ダンサ・ポンポーサ A.タンスマン
ギターのためのソナタより第1楽章、第4楽章 A.ヒナステラ
タレガ賛歌 ガロティンとソレアレス J.トゥリーナ
ワルツ ホ長調 Op.32-2 F.ソル
サパテアード R.S.デ・ラ・マーサ
BWV998 プレリュード J.S.バッハ
乙女の祈り T.バダジェフスカ
大聖堂より第2、第3楽章 A.バリオス
プレリュード第1番 H.ヴィラ=ロボス
ヘンデルの主題による変奏曲 M.ジュリアーニ
※この第41回ギター音楽大賞から始めたこのシリーズ、見てる人いるのかなぁ、と思っていたら、なんと今44回の入賞者の方とご挨拶したときに「ブログの演奏曲目見ました」と言っていただけました。いや、嬉しかったです。
過去の傾向と対策シリーズ
傾向と対策③ 第43回ギター音楽大賞 一般部門 演奏曲目傾向と対策② 第42回ギター音楽大賞 一般部門 演奏曲目傾向と対策① 第41回ギター音楽大賞 一般の部 演奏曲目