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「第三の場所」を作る。趣味を勧める本当の理由

一九八〇年代に入って、アメリカは価値観の断片化が進んだ結果、過剰なハイテンション社会になりました。職場では競争のプレッシャーが強く、家庭でもいろいろな問題があります。そうした人々は、職場とも家庭とも異なる「第三の場所」を欲しているのではないか、というのがシュルツさん(※)の洞察でした。ドイツのビアガーデンやイギリスのパブ、フランスやイタリアのカフェのように、ヨーロッパには「人々が安心して集える避難場所」(a safe harbor for people to go)が確立していますが、アメリカにはそうした場所は希薄でした。つまり、コーヒーを売るのではなく、くつろいだ雰囲気の中でテンションを下げるという経験なり文化を売るというのがスターバックスのコンセプトで、コーヒーそのものはそうした経験を提供する手段であるという考え方です。



ストーリーとしての競争戦略 楠木建(東洋経済) P268
※ハワード・シュルツ、スターバックスの元オーナー、元CEO



2011年にビジネス書大賞を受賞した名著「ストーリーとしての競争戦略」に出てくる、スターバックスコーヒーのコンセプトに関する記述です。私は元々実はスターバックスコーヒーにあまり興味がなかったんですよね、あんなところおしゃれな陽キャの行くとこやろ、てなもんで(笑)。けれどこの本を読んでからそのコンセプトのファンになり、頻繁に足を運ぶようになりました。通勤の乗換駅に1店舗、車でギター教室に行く途中にもう一店舗、出不精な私でも通いやすい立地にあるというのが最大の理由ではありますけれど・・(笑)。

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生きると同時に生きてしまった アリストテレスに学ぶ、心を軽くする考え

生きることの意味を考える人に、私の好きな言葉を。

キーネーシス(運動)を歩くという例に則して説明しよう。歩くことは「或る地点から或る地点(目的地)へ」歩くことである。そして目的地(テロス)に到達すると、歩くという運動(キーネーシス)は終止する。もう歩く必要はないからである。テロスへ向かう運動はテロスに達すれば、そこで運動は終わるのである。歩くという運動はテロスに到達しないかぎりでのみ運動である。生きることがこの意味での運動であるとすれば、生きているかぎり、テロスに達することがないし、テロスに達すれば生きていない。(中略)

しかし生きることを別の仕方で理解できないだろうか。アリストテレスは生きることをキーネーシス(運動)でなく、エネルゲイア(現実態)として捉える。(中略)エネルゲイアと言う語はアリストテレスの造語でありアリストテレス存在論の根本概念である。(中略)エネルゲイアはキーネーシスの対概念として用いられる。エネルゲイア(現実態)とキーネーシス(運動)の対比は、アリストテレス哲学の基本的区別である。ともかくエネルゲイアの意味を「見る」という例によって説明しよう。

美しい花を見るという行為を考えよう。歩くという行為は目的地(テロス)に到達するために、言い換えれば、歩き終わるためになされる。しかし花を見ることは、見ること以外の目的(テロス)をもたない。見ることがそのまま楽しむことであって、見るという行為はそれ自身が目的(テロス)である。歩くことと異なり、見ることはテロスにすでに到達している。アリストテレスはこのことを「見ると同時に見てしまった」という動詞の現在形と現在完了形の同一性として表現している。「見てしまった」という現在完了形はテロスに到達していることを言い表している。エネルゲイアとは現在(「見る」という現在形)においてテロスに到達していること(「見てしまった」という現在完了形)を意味する。アリストテレスは生きることもエネルゲイア(生きると同時に生きてしまった)と考えている。生きることは生きることの外にある目的へ向かう運動、生き終わるための運動ではない。生きることがエネルゲイアであるという考え方はとても魅力的だと思わないだろうか。

ハイデガー入門(細川亮一:著 ちくま新書)より

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結婚式で何を弾く?余興でギター演奏を依頼されたら、何より気持ちを込められる曲を選ぼう

社会人になってもギターを続けていると、「結婚式の余興で何かを弾いて」と言われることが少なからずあります。というか、私はギターを持っていくことの方が多いくらいでした。あるときは歌の伴奏を、あるときはソロを、あるときはアンサンブルと二次会の幹事を、、人望があると大変だ(冗談です)

新型コロナの影響で、結婚先の在り方も変わっていくかもしれません。この記事が皆さんの役にたつような、みんなで祝いあえる結婚式が挙げられることを切に祈ります。

何を弾くのが喜ばれるの?


これはギター演奏に限らず余興全体に言えることでしょう、一体何をするのが1番いいのか、と。とても悩ましいですね。新郎新婦のため、ご家族ご親族のため。列席の皆様が盛り上がる曲を。タイトルは結婚に関係のある曲かな。みんなが知ってる曲がいい?激しい曲が良い?失敗するわけにはいかない、簡単な曲にするか?長すぎてもいけないけど、短すぎるのももったいない。一体どうすればいいの??

結論: 自分が1番気持ちを込められる曲を弾く


難しいことは不要で、自分に依頼してくれた新郎新婦に捧げたい曲を弾く。これが全てです。自分が1番心を込められる曲を選ぶ。そして新郎新婦が喜んでもらう。そうすれば、きっと参列されている皆さんに喜んでもらえる。きっと、そういう事です。曲のタイトルとかエピソードとかは、「新郎新婦が喜んでくれる」ために必要であれば勘案すれば良い。けれども、それを選ぶ基準にする必要はありません。

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英語を喋られないなりに意思疎通する秘訣と、それでも勉強を勧める理由

今の職場では日常的にグローバルなやり取りをする機会があり、メールベースや電話会議などで英語を使用することも多くあります。また、アメリカに出張させてもらうこともあります。そんなありがたい状況ですので、久しぶりにTOEICを受けることにしました。TOEIC受験は就活のとき以来になりますので、楽しみながら少しばかり準備しようかと思います。学生時代よりはマシになってるんちゃうかなー

さて、旅行でも出張でも、外国に行くと必ず遭遇するのが言葉の壁ですね。私は英語は得意ではありません。が、上記のような環境なので必要最低限の意思疎通はできます。その秘訣(と言うほどでもない)を少しばかり共有したいと思います。

①わかったふりをしない


1番肝心なことは、わかるまで聞く、わかってもらうまで話し続けることです。わかったふりをしない、適当に笑って相槌を打たない。例えその場でバカにされても、長い目で見ると「わからないことをわからない」と言える人間の方が信頼されます。いや、実際のところ私が信頼されているかなんてわかりませんが、私ならわからないことにうなずく人よりも、ずっと食い下がる人の方を信じます。

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音楽と数学の交わるところ 対数編

学生時代に勉強していると、「こんなこと学んでなんの役に立つんだ」って思うことは度々あると思います。それが、あとから振り返ると「ここに繋がっていたのか」と気づくというのはよくあること。いつの時代も大人が、若い時にもっと勉強しておけば良かったと言う。それにはやはり理由があるのです。

本日は、工学部系ギタリスト(今作った言葉)のはしくれとして、音楽と数学の交わるところを紹介し、皆様の勉強のモチベーションに寄与できればと思います。

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目標を公表して退路を断つやつ

最近は新型コロナの影響という言い訳により、様々な取り組みがストップしていました。せっかくなので、自分のやることをリストアップしここに載せることで、退路を絶って見ようかと思います。

・早起き
最近在宅勤務のときは通勤時間が不要で30分遅く起きていました。今週から、在宅でも事務所出勤でも朝はちゃんと起きることにします。

・早寝
早起きできてなかった理由は単純、夜更し気味だったからです。主にツイッターとオンライン麻雀とせい。。まぁやらなくてもいいことなんではやく寝ます。

・英語学習
早く起きた分何をするか、1つは英語学習に充てるつもりです。元々朝の通勤時間15分ほどを宛てていたのが、在宅勤務導入とともにサボってました。やる気さえあれば家でもできるので、これ復活。

・ギター弾く
このブログで偉そうなこといいながら、最近ギターに触る時間減ってんですよね。練習も楽しめるモチベが復活しつつあるので、毎日少しでもギター触ろうと思います。朝にするか晩にするかは未定。

・マインドフルネス
瞑想。これもサボってたけど、今みたいな先行き不安な時こそ、マインドフルネス大事。瞑想しよう。

・ダイエット
夜だけ炭水化物抜きダイエットをぼちぼち続けています。あと4kgくらい落としたい、がんばれ、俺。痩せててギター弾けたらモテるはずだぞ。

・ブログ
当初目標の月3,000PVをひとまず達成したので、少しお休みモード。それと、質はともかく当初書きたかったコンテンツを一通り書いてしまった、というのもある。アクセス数のことは少し忘れて、書いたコンテンツを、本当に伝えたい相手に届けるにはどうすべきか、を考えて見ようかと思う。これは方法も評価尺度も未定、達成時期の目標もないので時間掛かりそう。

・仕事
まぁ、けっこう忙しい。コロナ影響で売上が減少する分、細々とやるべき施策が増えている感じ。責任とやりがいを感じつつ、無理をしすぎないようにバランス取りながらぼちぼち頑張ろう。
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自分の演奏に自信を持つには?凡人のアマチュア演奏家が辿り着いた4つのポイント

先日ギター教室の後輩と話していて、表題の話になりました。 

あしゃお「あなた上手いんだから、細かいミス気にしないで、もっと自信をもって堂々と弾きなよ」
後輩「いやいや、自信なんて持てないですよ。どうやったら自信が持てるんですか」

うん、後輩よ、その気持ちはわかるよ。とてもわかる。私も馬鹿じゃない、自分の音楽に無条件に自信があるわけじゃないんだ。でも、色々考えながら、無茶苦茶悩みながら、時間をかけてようやく「自分らしい音楽」を演奏している、と言えるようになってきたんだよ。

音楽一家に育ったわけでもなく、専門学校を卒業したわけでもない。小さいときにピアノを習ったこともなくて、ギター教室に通いだしたのは大学のギター部を卒業してから。そんな私でも、いやそんな私だからこそ伝えたいことがあるんだ。


①練習する


自信を持つには、当たり前だけど練習するしかない。練習せずにいい演奏をしよう、自信を持とうってのはむしがよすぎるよね。でも大丈夫、知ってるよ。「自信が持てない」って悩む人はたいていしっかり練習しているんだ。だからこそ、「練習してるのにうまく演奏できなく自信がない」とか、「練習する方向が合っているのかわからないから自信がない」とか、真剣に悩むんだよね。練習しない人は弾けなくて当たり前だから、そもそも自信がないことで悩まないよ。悩んでるあなたは、ちゃんと練習してるんだ。まず「自分はちゃんと練習しているんだ」、そこを自信に思うことから始めよう!

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ストレス反応の正体を知る。舞台での緊張に備える方法

本記事では「緊張によるストレス反応とは何か」について学び、緊張はするものだという前提にたって、本番に備える方法について語ります。特に影響を受けている著作は、最後に参考文献として3件挙げていますので、興味のある方はそちらも読んでみてください。

緊張しない方法、ストレスを感じない方法ではなく、緊張はするもんだとご理解いただければ、明日から舞台が少し気楽になると思います。

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読書レビュー FIREFLY(本多孝好、MOMENT収録)

毎年この季節になると読みたくなる本の紹介です。

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死ぬ前にひとつ願いが叶うとしたら・・・・・。病院でバイトをする大学生の「僕」。ある末期患者の願いを叶えた事から、彼の元には患者たちの最後の願いが寄せられるようになる。
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FIREFLY, 本多孝好著 MOMENT (集英社文庫)に収録

6月、梅雨の季節ですね。じめじめしてあまり好きではない季節ですが、この季節の楽しみがあります。それは蛍です。今年も、妻の実家へ蛍を見にやって来ました。

妻の実家は自然の豊かなところにあり、この時期は少し歩いたところの川沿いで、綺麗な蛍を見ることができます。

蛍と言うと思い出す小説が2つあります。1つは、宮本輝の芥川賞受賞作の「螢川」。そしてもう1つが、本多孝好による「FIREFLY」です。

螢川は、蛍と言う可憐で繊細な存在が大群で現れ、圧倒的な迫力と生命力で描かれるラストが印象的です。生と死、友情と恋心、そのほの暗い語りが最後にたどり着く情景は、読んでみないとわからない凄みを持っています。

対して、FIREFLY は、か細く舞うその緑の光に、登場人物たちの思いが乗せられます。

蛍に亡くなった伴侶を重ねる老人。蛍は、亡き故人の想いを運ぶ象徴として描かれます。亡き人の想いが蛍となって現れるのか、それとも亡き人に会いたいという想いが蛍に故人の影を見つけ出すのか。普通に考えられば後者でしょう。しかし、それだけで済ませられない感傷と余韻が、むしろ会いに来て欲しいという願いすらこの物語には散りばめられているように思います。

かのピーター・ドラッカーは、「何をもって憧えられたいか」と言う言葉を残しました。これは、自己実現や社会貢献と言ったものと結びつけて考えられがちかも知れません。しかし、そんな大それたものでなくとも、誰しも根源には承認欲求を持っているのではないでしょうか。

覚えていて、忘れないで。思い出して。そんなささやかな思いが、胸に響きます。




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「見て欲しかったのよ。私のこと。上田早苗っていう女のこと。昔はどんな学生だったのか、どんな会社へ行ってたのか、どんな男と付き合ってたのか、そのあとはどんなところで働いてたのか。ざっとでいいから、一通り見て欲しかったの」
「どうして?」
「どうしてかな。よくわからない」

光が上田さんの髪に止まった。気づかずに上田さんは続けた。
「ただ、もしこれから何年も何年も時が経って、もし今年と同じような夏がきたら、君はきっと私のことを思い出す」
「思い出さないですよ」と僕は言った。「僕はそんなに優しくない」
「思い出すわよ」と上田さんの声が柔らかに言った。「君はそれほど利口じゃない」
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今日の晩は蛍を見て、この物語のことや会いたい人、会えない人の事、色々の事に想いを馳せてこようと思います。

ところで、この「FIREFLY」には、ここには書いていない簡単な謎もあって、物語の最後にそれが明かされる仕掛けになっています。「こんなの」「ずるい」とおもわず呟いてしまいます。上田さん、こんなのずるいよ。

人の最期を看取る、と言う題材ではあり、MOMENT と言う本自体は読む人を選ぶ側面があるかもしれません。それでもこのFIREFLY は傑作。この一作のためだけでも買う価値がある、と強く思います。


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[ソロギター]月 桑田佳祐



作詞作曲: 桑田佳祐
編曲: 田嶌道生

サザンオールスターズの桑田佳祐、彼のソロ名義での名曲「月」を演奏しました。この曲が発表されたのは、1994年。人気漫画「静かなるドン」の実写ドラマの主題歌だった「祭りのあと」の1つ前のシングル曲です。

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