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2016/10/29の池田慎司先生公開レッスンで教わったことまとめ

※2016/11/5に投稿した、池田慎司先生の公開レッスンに関するメモを、加筆再投稿します。

先日の福田進一先生のレッスンもそうですが、公開レッスンは自分で受講することはもとより、他の方へのレッスンも非常に勉強になり、またモチベーションアップにも繋がります。皆様機会がありましたら、聴講だけでも参加されることを強くお勧めします。※


2016年10月29日に、福岡で活躍されるギタリスト池田慎司先生の公開レッスンを受講しました。岩崎慎一先生の主催で、高橋通康さんにご紹介いただきました。ありがとうございました。

私は Francis Kleynjans の CINQ NOCTURNES(5つのノクターン)より Nocturne No.1で受講しました。最近あまり弾ける曲がなかったので、マイナーな曲で池田先生も知らない曲となってしまい、少しもったいないことをしました。でも、知らない曲に対して、その場で楽譜から音楽を作られていく様を見ることができたのは、ある意味では逆においしい(?)体験でした。


以下、レッスンを受けて学んだ内容です。
・弾けば弾くほど怖くなる、緊張するという悩みに対して。大きな流れの中で、時間に乗っていく。自分が音楽を始めるのではなく、遠くで流れている音楽に自分が乗っかる感覚を試してみる。

・フレーズを分け、責任も分割する。長いフレーズをすべて同じ密度、同じ重要さで弾くのは緊張の原因となり、難易度も高くなる。最初に強調すれば、あとは流して自由に歌う、くらいで構わない。

・ゆっくり演奏する練習をする。この時、単にゆっくり弾くのではなく、ゆっくり弾くときにも音楽を成立させること。例えば、ビラロボスのエチュード1番だって、ゆっくり弾いても曲として聞かせることができる。ゆっくりでもギアを常にかけておくイメージ。

・普段と違う音を出す練習をする。しかし、五里霧中にならないよう、「今自分は音探しをしている」と言うことを忘れず頭の中に残しておくこと。

・演奏を固定化させないために、自由に弾けるようにする。すると、演奏本番でも思ったことに対応できるようになる。例えば、リズムを変える、テンポを変える、拍を変える、とか。

(あしゃお追記)
この演奏における「自由」に関して最近思うことを追記させていただきます。

基本的には、まず楽譜を読んで曲想を考え「このように弾こう」と一度決めると、その通りに演奏する練習を繰り返したくなります。実際、事前に時間をかけて練った曲想以外のことを、本番でいきなり表現したくなる、ってなかなか考えづらいですよね。

その意味で、思ったとおりに弾く練習はある程度必要です。しかし、その練習であまりに表現を固定化すると、その「こう弾く」と言うラインから外れてしまったときに対処できなくなる、と感じています。

例えば4音の上昇旋律でクレッシェンドを表現するとします。このとき、2音目をどれくらい大きくして、次に3音目はどれくらいの大きさで弾いて・・、と言う練習ばかりしていると、2音目をミスして想定どおりに弾けないときに、フレーズ全体が死音になりかねません。けれども、もし「思っていたのと違う」2音目であっても、そこから誕生する次善の3,4音目はあるはずです。いや、もしかしたらそのアプローチから今まで思っていた以上の表現ができるかもしれません。これは、リタルダントのかけ方のようなリズムに関しても同様ですね。もっと言えば、特定のフレーズだけでなく、曲全体の構成にも展開して適用することが可能です。演奏を固定化させない、自由になる、というのは、このように「表現の唯一性に寄り添い、舞台ごとの最適解にたどり着く」ために必要なのでは、と考えています。

演奏中に「ミス」をしても、それを引きずってはいけません。むしろ、それは新しい何かが生まれるきっかけになるかもしれないのです。「ミス」なのかどうかを決めるのは、その後のあなたの演奏です。そのためにこそ、「自由に演奏する」準備が必要なのではないでしょうか。

3年半前にこの記事を書いた際には、「演奏本番で思ったことに対応する」と表現しました。今なら、「演奏本番で思ったことだけでなく、起こるなんて思ってもいなかったことにも対応する」と文言を書き加えたいな、と思います。
(追記終わり)


・メトロをつけて、インテンポの状態でルバートの練習をする。ゆっくりしたいところは、その前の箇所を速く演奏することで、ゆっくり歌う時間を作る。
  ⇒ピアソラのアディオス・ノニーノで実演がありました。自由にテンポを揺らして無茶苦茶に(失礼)自由に弾いているように見えるのに、メトロにはなぜかしっかり乗ってくる、という、なんかマジックを見ているような狐につままれているような・・?衝撃でした。
→上記2つの内容も含んだリズム練習の記事を別にまとめました。


・その人の音や表現に合った(=しっくりくる)テンポというものがあると思う。少し早くや遅くなどを試し、自分にしっくりくるテンポを探してみては。

・リタルダンドとラレンタンドの違い。リタルダンドは、自然と、あるがままにゆっくりとなる。ものが重力のせいで自然と落ちるようなイメージ。大して、ラレンタンドは、意識的に落とす。イタリアでは、道路のカーブで速度落とせの看板には「ラレンターレ!」と書いてある。

・rit.やral.で、人に違和感を感じさせない節度はどうすれば身につく?
⇒わざと平坦な(テンポや強弱をつけない)演奏をする。あとは、例えば重奏やアンサンブルをたくさんやるといい。


正直、自分のレッスンよりも、他の方のレッスンを聞いている方が勉強になりました・・汗。知っている曲ばかりだったというのもあるかもしれませんが。

マジックを見るときは、「タネがわからないから面白い、タネを聞くな」というのが一つの暗黙の了解ではあります。しかし本当に優れたマジシャンだと、タネがわかってなお、むしろタネがわかっているからこそ、もっとテクニックに酔いしれる場合もあります。音楽も、共通するものがあるように感じました。なぜこの人の演奏は胸を打つのか、素晴らしいのか、と考えたとき、そこにある謎をもっと知りたい、と思いました。

2016/11/5 初投稿
2019/7/22 追記再投稿
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