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「れる、られる」に見る日本人の感性

助動詞「れる・られる」をご存知でしょうか?日本語を使われる方なら、考えるまでもなく出てくる言葉ですね。←はい、ここの「使われる」の部分でもう出てきています。

では、この助動詞の用法を全てあげることはできますか?

英語や古文、漢語などを勉強する際には、授業や参考書における「文法」のウェイトはそれなりに高いように思いますが、気にしなくとも喋られてしまう母国語では、少し扱いが疎かになってしまう場合もあるように感じています。なので、パッと出てこない方もいらっしゃるかも知れませんね。

答えは、受身・尊敬・自発・可能です。1つの助動詞に4つも意味があるんですよねー。では、どうやってその4つを見分けるか、その方法は、、

通常の授業や参考書ではこう続くわけですが、ここは私の好き勝手ブログ、そうは進みません。4つもの意味、用法が1つの言葉に宿った、その不思議さと奥深さに想いを馳せる旅に少しばかりお付き合いください。

時は16年ほど前、私が大学院で研究室に所属していた頃に遡ります。私の研究室は積極的に留学生を受け入れており、いまざっと思い出すだけでも中国、韓国、ベトナム、フランス、チェコ、ポーランド、ベネズエラ、バングラディッシュと、様々な国の学生と交流をすることができました。言葉や文化の多様性に触れることができ、大変得がたい経験だったな、と感謝するところです。

そんなある日、中国からの留学生の方に、こう話しかけられました。「麻尾さん、なんで『れる・られる』にはこんなたくさん意味があるの?おかしいよ、難しいよ」と。

・・なんでだ??そんなこと考えたこともなかったぞ。確かにれる・られるには受身・尊敬・自発・可能の4つの意味がある。古文で習った「る・らる」も一緒だった。でもそれは授業で覚えただけだ。理由だって・・?

こんなきっかけにより考えをめぐらした私は、ある思いに達しました。「受け身・尊敬・自発・可能の4つを同じ言葉に託した我々の祖先は、なんと奥ゆかしい人達だったのだろうか」と。私たちの周りで起こり、影響を与えてくる事柄(受け身)、そこから自然と発生する感情(自発)。それらは本質的に自らにできること(可能)と同等であるだけでなく、さらに尊いものとして受け入れる(尊敬)対象だったのだ。なんてことだ!自然界と一体となった悟りの世界でないか。それが一人の天啓ではなく、集団による概念として形成されるなんて。

もうね、軽いトランス状態です。なんてすごい民族なんだ、って叫びですよ。

このリンゴは食べられる。これは可能の用法である。食べることができる、の意味だ、それ以外は間違い。っていうよりも、このリンゴは食べることができるんだね、リンゴさんありがとうって尊敬の念を覚えた子供の感性を褒めてあげたらいいじゃないですか。
何千何万年前の、ガスも電気もなかった時代を想像してみてください。夜中に祭りが開かれ、そこで村長が歌われるんです。うわ、なんか歌がやってくるぞ、こんなことができるんだ、すっげーな、なんか自然と尊敬の念が湧いてきたぞ。そういう感覚ですよ。この歌われるは尊敬です、というよりも、受け身も自発も可能も含んだおおらかな概念のもとで祖先が生きていたって方が、なんかロマンがあるじゃないですか。「村長が歌われる」と「村長に歌われる」を区別しろ、ですって!?何言ってんですか、むしろ混ぜたらいいんですよ。一緒だったんですよ基は。

そんな私は、「ら抜き言葉」を極力使わないように気をつけています。リンゴは「食べれる」とら抜き言葉とすることで可能の用途に絞ることができる。確かに合理的で、進化かも知れない。でも私には、可能的動作から尊敬の念を引き算するのはもったいなく「感じられ」るんです。

私は言語学を学んだ人でもないし、文法の専門家でもないので、これは完全に個人的な見解でしかありません。それも、かなり希望的な見解です。こうだったらいいのにな、ってね。


なんかギターと全く関係ないような内容になってしまいましたが・・自分で読み返しても関係ないですね。笑 もともとは、松下隆二先生の「私にとって」と言うブログを拝見し、「相変わらず深いことを書かれるなぁ。能動と受動ねぇ、ふむふむ」と言うことで上記話を思い出したんですよ。書き始めて出来上がってみたら、松下先生の話から飛躍しすぎていましたね。f^^; でもまぁ、能動と受動を行きかう間に、自発と尊敬も、さらには可能も漂っていると考えると、なんか素敵だと「思われ」ませんか?

一応無理やりギターに結び付けると、周りに対する肯定や尊敬、能動や受動といったものをひっくるめた舞台、今日の言葉を使うならば「れる・られる」の感性が宿った演奏は、きっと温かいものになるのでは、と信じます。


馴染みにくい内容の長文ブログでしたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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