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猪居信之 還暦記念ギターリサイタル

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昨日6/8に行われました、猪居信之還暦記念ギターリサイタルを聞きに行ってきました。プログラムは下記の通り。
先日たまたま福田ショック以前と以降に関しての記事を書いたところでしたが、図らずも今回のコンサートは福田ショック以前の大御所 猪居信之先生と、福田ショック後の新世代の代表格 猪居兄妹の共演で、演奏曲目もまさにその内容に沿う演目になりました。

2019年6月8日(土)、吹田市文化会館メイシアター小ホール
第一部
猪居信之ソロ
F.ソル:エチュード~Op.6-8, 31-23, 35-33, 17
F. タレガ:ラグリマ、アデリータ、夢、マリエータ
H.ヴィラ=ロボス:5つのプレリュード
G.ノイマン;愛のワルツ
G.クレスポ:ノルテーニャ

第二部
猪居亜美ソロ
 L.ブローウェル:オリシャたちの儀式より第2楽章
 H.ヴィラ=ロボス:エチュード第12番
猪居謙ソロ
 M.カステルヌオーヴォ=テデスコ:悪魔の奇想曲
猪居信之&猪居亜美
 A.ピアソラ:来るべきもの
猪居信之&猪居謙
 武満徹:ヒロシマという名の少年
猪居信之&猪居亜美&猪居謙
 E.サティ(高本健児編曲):ジュ・トゥ・ヴ

アンコール
 H.ヴィラ=ロボス:エチュード第11番


コンサートの感想・レビューでよく見る「意欲的なプログラム」という表現があります。第二部の亜美さん、謙さんの曲なんかはまさに意欲的で、非常な難曲を圧倒的なテクニックと表現力で聞かせるものでした。それと比較したときの信之先生のステージは、実際のところ逆の意味で、真に「意欲的」なものになっていたと思います。ソル・タレガ、ヴィラ=ロボスのド定番曲。クラシックギターを弾く人なら一度は弾くであろう、下手したら楽譜が全部頭に入っている人も少なくないであろう曲たち。そういった曲のみでステージを構成するというのは、並々ならぬ決意というか、信之先生の素朴だけれども強い芯を感じるものでした。

信之先生は近年はどちらかというとレッスンがメインで演奏活動は控えめであり、正直ブランクを感じるところもありました。演奏単体を取り出すならば、新世代である謙さん、亜美さんに軍配が上がってしまうかもしれない。けれども、プロギタリストとして家族を守り、さらに子供二人を立派なクラシックギタリストに育て上げた一人の男の生きざまとして、この「還暦記念リサイタル」は、最大限の称賛に値する素晴らしものだったと思います。謙さん・亜美さんのお二人も、これからギタリストとして活動していく中で、父親の偉大さに気づくことになるのではないでしょうか。

個人的には、アンコールで憑き物の落ちたような顔をして舞台に出てきた師匠の「エチュード11番」が、師匠の良いところが一番出た演奏だったかなと思いました。ご本人曰く、もう疲れ切って握力がなくなり、全然指が回らんかった、とのことでしたが。。それまでが気負いすぎてたんちゃいますか~汗

猪居信之還暦リサイタル
師匠、お疲れ様でした、おめでとうございました。これからもお元気で、いつまでもご指導お願いします。
何枚か撮っていた写真、真ん中の師匠はすべて真顔でしたよ・・。
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