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変則調弦の曲を知る

この記事では、曲に挑戦するかを決めるに当たって非常に重要な要素の1つ、調弦に関しての情報を共有したいと思います。

皆さん、演奏しようと思う曲候補はどうやって仕入れていますか?私の場合、昔はクラブの発表会や、怪しげな先輩が勧めてくる謎の曲がほぼ全てでした。後はクラブ内で回し聞きするCDとMD(古い)。たまにあるテレビ番組でのクラシックギター特集。今では、You Tubeが便利すぎて吐きそうなレベルですね(褒め言葉)。


「この曲弾いてみたいな」となったとき、私が気になるステップは2つあります。1つは、「技術的に弾けるか、挑戦できるか」。2つ目は「調弦は普通かな」と言うことです。1つ目もとても興味深い課題ですね。現状のレベルで弾けるか弾けないか、弾けないにしてもストレッチ目標として取り組むことで、スキルの底上げと共に弾けるようになる曲なのか。でも、ザンネンここでは語りませーん!調弦の話に進みます。


変則調弦、専門用語ではスコルダトゥーラといいます。最もよく使われるのは、ドロップDチューニング。6弦だけをE(ミ)→D(レ)に下げるものですね。2000年ころに一斉を風靡したサンバースト(A.ヨーク)は、6弦に加えて1弦もDとする、俗に言うダブルドロップDと言うチューニングで演奏されます。


調弦変更後は音程が安定しない
ギターの調弦はかなり曖昧で、特に調弦を変更した直後、テンションを変えたあとは落ち着くまでに時間がかかります。トップギタリストは、演奏中に音の狂いを敏感に察知してペグを回し音を調整していますね。私はそんなスキルも耳も残念ながら持ち合わせていないため、発表会だとなるべく同じ調弦の曲を選ぶようにしています。あるいは、まとまった長さで演奏する機会をいただいた場合なら、同じ調弦の曲どうしをなるべく固めるセットリストにし、調弦変更時には長めのMCを挟む。喋りながら調弦が落ち着くのを待つようにしています。


曲の途中で調弦を変える曲もある
若者を中心に圧倒的な人気を誇るR.ディアンスの「フォーコ」。これはフォーコ単独で演奏される機会が多いものの、本当はリブラ・ソナチネの第3楽章です。この曲は構成が変わっていて、1・3楽章は通常調弦、2楽章のみドロップDとなっています。この曲を生で演奏するには、舞台上での2度の調弦変更が避けられません。似たような構成では、S.アサドのアクアレル。第2楽章「ワルツ風に」単独での演奏も多いですが、こちらも本来3楽章より成ります。こちらは1楽章のみ通常調弦で、2・3楽章がドロップD。このような曲は、調弦への拘りや自信によって、レパートリーに加えるかどうかが判断されかれない曲となります。私の立場だと、弾かずにやり過ごす曲目と言うことになりますね。ま、両曲とも高い完成度で全楽章通して弾くのは極めて難しい難曲で、調弦の問題がなくても弾けませんけど汗。。


平均律の理解が舞台演奏の自信に繋がる 「音律と音階の科学」紹介


楽譜を買うかの判断にも影響
トルコの民族的な響きが特徴的なC.ドメニコーニ。彼の代表曲コユンババも超絶変則調弦で有名。トッカータ・イン・ブルーやオリエント急行も、他の曲との共存が難しい変則調弦。こうなってくると、ドメニコーニの楽譜を買うこと自体が恐怖になってきますよね。例えばアナトリア民謡による変奏に挑戦したいけど、楽譜を買って変な調弦だったらとうしようって。ちなみにこれはドロップDなので、比較的とっつきやすい(演奏できるとは言ってない)。

というわけで本ブログの本題
知っている変調曲を予め取り上げちゃおう、というのがこの企画です。本当はWiki的な取り組みが一番よいかも知れませんね。とにかく、1度この記事で淡々と挙げてみようかと思います。「曲名 調弦」で調べたときに、楽譜を買うための一助になればいいな、と。自分が欲しい情報を挙げるのがこのブログの目的ですからね。間違いのご指摘や追加の情報など大歓迎です。


もちろん、「ここに載ってる=変則調弦」ではありますが、「ここに載ってない=通常調弦」ではないことにご注意ください。単純なドロップDは書き出すと切りがなさそうなので、基本省略しています。




[フォーマット] 作編曲者名、曲名:調弦
R.ディアンス、リブラソナチネ:1・3楽章は通常調弦、2楽章のみ⑥=D
R.ディアンス、カプリコーンの夢:⑤=B
R.ディアンス、トリアエラ:⑥=A
R.ディアンス、ヴィラロボス讃歌より4楽章TUHU:曲中で1弦をE⇒D#⇒Eと変化させる

F.ショパン、R.ディアンス編、ワルツ第9番 op.69-1:⑤=B
F.ショパン、R.ディアンス編、ワルツ第10番 op.69-1:⑥=F#、⑤=B
F.ショパン、R.ディアンス編、マズルカ op68-4:⑥=D、⑤=B♭
A.ラミレス、Rディアンス編、アルフォンシーナと海:⑥=D、⑤=B
M.モノー、Rディアンス編、愛の讃歌:⑥=E♭

S.アサド、アクアレル:1楽章のみ通常調弦、2・3楽章⑥=D

C.ドメニコーニ、コユンババ:⑥=C#、⑤=G#、④=C#、③=G#、②=C#、①=E(オープンC#m)
(※全弦半音上げのDmチューニングも可、だがC#mの方が望ましい、との注記あり)
C.ドメニコーニ、アナトリア民謡による変奏曲:⑥=D
C.ドメニコーニ、トッカータインブルー:⑥=D、③=F#
C.ドメニコーニ、オリエント急行:序奏 ⑥=D、⑤=G、①=D ⇒ ⑥=D、⑤=G、①=Fへ変更

A.ヨーク、サンバースト:⑥=D、①=D
A.ヨーク、ムーンタン:⑥=D、①=D

A.アッセルボーン、老いた賢者:⑥=D、②=A
A.アッセルボーン、風の道:⑥=D、②=A

F.ソル、メヌエット ト短調Op.11-2:⑥=D、⑤=G
F.タレガ、タンゴ ト長調:⑥=D、⑤=G
藤井敬吾、羽衣伝説:⑥=D、⑤=A、④=D、③=G、②=A、①=D(いわゆるDADGAD)
坂本龍一、佐藤弘和編、戦場のメリークリスマス:⑥=E♭、⑤=G
L.ナルバエス、皇帝の歌:④=F# (※これに限らず、リュート/ビウエラ全般でしょうか。これは完全に不勉強)


怒涛のディアンスですねw。自由な発想でギターの限界に挑戦した鬼才、ということなのでしょう。もっとあるかと思いましたが、ぱっと書いてみたところ思ったより少なかったです。気が向けばドロップDを足していくのもありかもしれないな。


ローランディアンス
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