2019/11/21
時の流れに想いを馳せる話
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だんじりの後を歩きながら思ったことを書いているうちに、他にも似たような経験をしてきたな、と気づき、そんな内容を徒然に綴りました。時を経ることの美しさを知る人間でいたいです。
地車の話
地車の後を歩くのが好きだ。電気もガスもない時代に、同じ道を同じように歩いたであろう自分の祖先の事に想いをはせながら歩くのが、好きだ。幼き日の祖父も、そのまた祖父に連れられ綱を引いたのだろうか。
私の家の前の道は「有馬街道」と呼ばれ、有馬温泉まで繋がる昔ながらの街道だ。そんな道を、大名は湯治のために通ったのだろう。そんなことに思いを馳せる時間は、私は不思議な平穏へ導いてくれる。
古いギターの話
2001年頃のことになると思う、大学生のときに後輩のギター購入のために、今はなきフレット楽器オザキ大阪店へ5, 6人連れだって行ったことがあった。そのときは、コダイラや松岡といった購入しやすい価格帯をメインに見せてもらっていたと記憶しているのだが、社長さんがいたく歓迎して下さり、「珍しいギターを見せてあげる」と言ってくださった。それが、スペインの大昔のギター、という、ボディ全体に絵の描かれたものだった。
「400」と言う数字が頭に残っている。400年前のものだったのか、400万円、と言われたのか今となっては思い出せない。とにかく、現代のギターより一回り小さく、とても古いそのギターを、「本当は壊れるから弾くものじゃない」と言いながらポーンと鳴らしてくださった、その音を聞いたときの感動を今も強く覚えている。時間を経るということの尊さに心を打たれたのだ。その音に、形容は要らなかった。ただ、響きがすべてを伝えてくれた。
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