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道でゴミを拾った話

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僕は真面目な少年であった。

真面目というのは、よく言えば規範を従うということであるが、悪く言えば他人の目を気にしているということである。親に怒られるのが怖かった。あいつ先生に叱られてるな、と思われるのが嫌だった。

そんな僕も少し大きくなると、なぜ自分はルールを守るのか、ということを考えるようになる。誰も見ていない、車も来ない真夜中の道路で赤信号を守るのは何のためだろうか。そんなことに頭を悩ませながらも、赤信号みんなが渡っても自分は止まる。そんな感じの学生生活を送っていた。きっと堅苦しくて息苦しいやつだったのだと思う。

でも、そういう拘りってエネルギーがいる。赤信号を渡らないと、それ自体が変わったやつと思われるんじゃないか。目立つことでかえって悪い結果を迎えるかもしれない。そんなこんなで、私はどんどん普通の人間になっていった。今の私は、どこに出しても恥ずかしくない普通の人間だと思う。もしかしたらどこに出ても恥ずかしい普通の人間になったのかもしれない。

先日駅前を歩いていると、前の方からビニール袋が転がってきた。昔の俺なら拾ってたなぁ。と思ってたら、ほんとに私の足元に向かって転がってくる。まさに一直線と言うやつだ。「転がってきたビニール袋を拾うおっさん」と「転がってきたビニール袋を無視するおっさん」、一体どっちが普通だ?どっちがダサい?そんな問いが頭を駆け巡る。でも、打算が完了するのを待たず、ゴミは私の足元に到着した。そして通り過ぎようとする。

思わず拾った。

誰も俺を見てなくても、俺が俺を見ている。

面倒くさいことに手を出したのは、実に久しぶりだ。ビニール袋にはゴミが入っていた。濡れていた。周りにゴミ箱がないので、仕方がないから家まで持って帰った。手が汚れてしまった、と後悔しなかったといえば嘘になる。けれど、清々しく少し誇らしい気分だった。

こんな些細なきっかけで、自分の好きな自分になれるんだな。そんなことに気づいた休日だった。
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