2011/09/09
VALSE FRANCAISE
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今日は、以前に紹介したクラシックギター曲、「VALSE FRANCAISE」の曲紹介をしたいと思います。(ちなみに、私自身の演奏はコチラで紹介させていただいてます。)
今から書くことは、分かっている人にはごく当たり前(か下手すると間違っていると指摘されそう汗)なことで、分かっていない人には分からないと言うすごく中途半端なものになりそうなのですが、、分からないけど分かりたい人が頑張って読んでくれれば、すこしは役に立つんじゃないかと思います。
まずこの曲の調は♯一つ(キーG)の曲となっています。
そのダイアトニックコード(他の臨時記号を必要とせずに奏でることができる和音)は、G Am Bm C D Em D7なので、これ以外の和音が出てくると、私のような初心者はすぐ音を上げたくなるわけですが、そこはぐっと歯を食いしばってとにかく和音を見ていきましょう。
1小節の間で二つのコードを遷移し、前半が終わった後、キーAに転調して同じコード展開が続きます。
G D/#F | F6 C/E | Cm G/B | A/#C D7
G D/#F | F6 C/E | Cm G/B | C E
1小節目は低音がトニックのGから始り、順次半音下降を繰り返していきます。
2小節目頭の和音をDmでなくF6と解釈しよう!と言うのが、私としては、「お、よく気付いた」と自分を褒めたくなったポイントですw。
ここの和音は、譜面上での音の連なりはファレラですので、一見するとDmのようです(まぁ実際その和音です)。しかし、Fがナチュラルですでに導音としての働きをしていないのに、ドミナントと言うのは何か違和感があります。(ドミナントモーションと言う意味では、ファ♯ -> ソの解決の動き必要なはずなのに、ファ ナチュラルではそれがないですから)
ですから、ここはF6と考えた方が進行的にはしっくりくるように思うわけです。これは、GからみたサブドミナントCのさらにサブドミナントのF(ダブルサブドミナント!)と考えるわけですね。わかりやすくキーCで言うと、C->G(ドミナント)->B♭(ダブルサブドミナント)->F(サブドミナント)です。ここで、それぞれの構成音を上手く根音に持ってこれば、C -> G/B -> B♭ -> F/A と言う半音下降が出来上がります。
VALSE FRANCAISEでのコード進行も、このダブルサブドミナントを使用した半音下降のFに、6番目の音を加えてマイナーの響きも加味していると考えた方が、Dm(ドミナントのマイナー)と考えるよりもわかりやすいのではないかと思います。
ちなみに、このダブルサブドミナントによる半音下降は、結構色々な曲で使用されているようです。
例えば、私の好きなX Japanの"Longing"でも使われています。この曲では、C -> G/B -> B♭ -> F/A の後にGmに移行してそのまま転調してしまいますが、あまりにも自然に転調するので私は楽譜を見るまで転調していることに気付きませんでしたf^^;
私はコードや理論にあまり詳しくないのですが、こう言う所で、他の曲との共通性とかを見つけるとなんか嬉しくなりますね。
せっかくなので、VALSE FRANCAISEの指示の訳も書いてこの記事は終了です。
非常に綺麗な上に、1分程度で終わる取り組み小品ですので、興味を持たれた方は是非楽譜を入手して演奏してみてください。この記事が演奏の参考になれば幸いです・・せめて悪い影響を与えませんように!
・avec frace: with elegance(優雅に)
・souple. lie. et bien chante:smooth, linked and well sung(スムーズに、連なって、よく歌って)
・tres.rit: very laughed (with a big smaile)(笑みをたたえるように)
※フランス語ってわからないですよね・・。わからないところは、フランス語が出来る会社の後輩が手伝ってくれました。後輩様、ありがとう!
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