上級部門予選を突破した16名による演奏。と言いながら、夏の暑さに負けて遅刻し、6番目の方からしか聞けませんでした。。シャワー浴びても拭いてるうちから汗が出てくるんだもん。。
入賞された皆さん、おめでとうございます。惜しくも入賞を逃された方も、お疲れ様でした。結果は、、(敬称略)
金賞: 日下璃球 J.S.バッハ プレリュードBWV995
銀賞: 田川有理 J.トゥリーナ ソナタII, III
銀賞:赤座優大 J.S.バッハ プレリュードBWV1006a
銅賞: 横内愛 A.タンスマン プレリュード、バルカローレ(カバティーナ組曲)
銅賞: 志間史崇 H.ヴィラ=ロボス エチュード第11番、エチュード第1番
奨励賞:田島秀章 J.K.メルツ:リゴレット op.63
奨励賞: 土屋和彦 J.トゥリーナ ソナタII, III
結果としては、(出番最初の5名分を聞けなかったことを除けば)おおよそ聞いていた感覚と似た感じの上位入賞者でした、、1点、バッハを除いては。。滝汗 金賞を取られた日下さんの演奏、もちろん良かったのですが、他にも同じかそれ以上に魅力的な演奏をされた方がいたように思う、というのが率直な感想。バッハに関しては、この現象起こるんですよね。。自分の評価とコンクール評がうまく一致しない現象。もっと音楽の父バッハの勉強しなさいってことなんかなぁ。
その他で感じるのは、「楽譜から生み出される」演奏は確実に伝わる、ということ。耳から入った演奏や先生に言われたから取り組んだ表現は、聞いていてなんとなくわかるもんです。私レベルでもなんとなく分かるんですから、審査員の先生方にはそのあたりがもっと見えているんでしょう。人からもらう曲想でなく、自分と楽譜から誤魔化さずに積み重ねて行くことで、音楽に「必然性」が生まれ、それが「何かを伝えられる」演奏になっていくのではないでしょうか。それはハーモニーも旋律も、リズムもテンポにも言えることと思います(バッハわからないくせに偉そうなこと言うなって話ですが。。)。
そう言うと、トゥリーナとかは今回だけでなくコンクール入賞でよく見かけるようにも思います。タンスマンなんかも。これはもしかしたら楽譜と向き合わないとそもそも弾けない、弾く気にならない曲である、ということもあるかもしれないですね。何も考えずに聞いて、何も考えずに弾いて面白い曲の類ではないようにも思います。この曲に挑戦したい、コンクールに出してみたい!そう感じる時点で、音楽や楽譜に対する向き合い方がすでにある程度醸成されているのでしょうか。少なくとも私は、15年前にトゥリーナにそんなに魅力を感じませんでした。今では、聞く曲全て弾いて見たくなるレベルで惹かれます。
演奏を見ていてもう一点感じたのは、「不安な演奏」も避けたい、と言うことですね。細かいミスは誰にだってあると思いますが、そこで「ミスした!」のビックリマークを出さずにしのぎ切ることって思った以上に大切なんじゃないでしょうか。ゲスト演奏の福田進一先生方なんか、そのあたり正に円熟と呼ぶに相応しい演奏でした。オヌール部門の熱演の後で、福田先生がどのような演奏されるのか興味がありましたが、その「自信」や「度胸」と言うような何かで、若者達とは次元が異なるものを見せて下さいました。若いうちからあのような円熟味を目指すのも違うかもしれませんけれども、少なくとも「不安を客席に感じさせない、むしろ安心感を与える」と言う点において、あの舞台に習うところは多いと感じます。
以下、他の方の演奏曲(演奏順)
・D.アグアド ファンダンゴ・ヴァリアード
・A.バリオス ワルツ第4番(2名)
・E.プジョール セギディーリャ
・L.ブローウェル 舞踏礼讃
・I.アルベニス タンゴ
・F.ソル 魔笛の主題による変奏
・M.C.テデスコ タランテラ
・F.ソル エチュード op31-20
・R.S.デ・ラ・マーサ サパテアード
・F.ターレガ タンゴ
・I.アルベニス セヴィーリャ
コンクールって、人前演奏っていいな、と思ういい一日になりました。では、
オヌール部門本選編へ続きます。
コンクールに挑戦してみたいな、と思った方は、こちらの「
愛好家向けコンクール情報」もぜひご覧ください。随時更新しており、第47回日本ギターコンクールの内容も記載しました。
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