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【コンクール参加雑記】第45回ギター音楽大賞に参加して

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※2021/7/14 コンクール当日の演奏動画を追加しました。※

 6/19, 20の二日間にわたって行われるギター音楽大賞の、1日目上級部門に参加してきました。まずは一にも二にも、このコロナ禍の難しい状況下で、無観客と言う厳しい選択を迫られながらも開催をしてくださった日本ギタリスト会議の皆さま方に厚く御礼申し上げます。明日の二日目も大過なく開催されることを切に祈念いたします。

 本記事は極めて個人的な感想やコンクールに関する思いを綴ったものです。出場者の演奏曲目や審査結果に関しては下記別記事をご覧ください。
第45回ギター音楽大賞 1日目、受賞者および演奏曲目
第45回ギター音楽大賞 2日目、受賞者および演奏曲目
ギター音楽大賞の男女/ 年齢比を集計してみた



 では改めまして、参加者の皆様お疲れさまでした。そして、ご受賞の皆様おめでとうございます。私は入賞はならず、本選賞と言う名の参加賞をいただいて帰宅しました。応募者が全員参加可能な一般部門も設定されているコンクールの中で、上級部門は予選課題曲(あるいは前年度までの入賞)と言う要件があり出場人数が絞られているため、本選賞をいただけたのだと解釈しています。
 エントリー曲はブエノスアイレスの春(アストル・ピアソラ、ベニーテス編)でした。本番には緊張で震えるようなこともなく臨むことができたものの、細かいミスを修正することはできず、練習で課題を感じていた箇所を克服できずに終わってしまいました。実力通りの演奏をしたと言うべきか、実力以上の結果を出すことは出来なかったと言うべきか、いずれにせよ今の自分のレベルはこれくらいだろう、と納得せざるをえない内容です。

※7/14 事務局より当日の動画をいただきましたので、アップしました。映像めっちゃ綺麗!演奏は1分45秒からです。※


 このブエノスアイレスの春、昔から大好きな曲です。大学に入って初めてピアソラと出会ってから好きな曲はたくさんありますけれど、ことギターソロ曲に限れば、こんなにかっこいい曲はないだろうとずっと憧れていた曲です。ピアソラ節の良さはもちろんのこと、ベニーテスによる、もはやギターのオリジナル曲と言っても過言ではないほどの素晴らしい編曲によるところも大きい。しかしそのカッコよさは、裏を返すとそれだけ難しいと言うことでもあります。20年前にライバルだと思っていたクラブの同期が演奏しているのを聞いて、なんでこの曲弾けるねん!こいつ上手すぎるやろ!と心の中で敗北宣言を出した曲でもあり、私には弾けるべくもない、たまに譜読みはすれど人前で発表することはない、と蓋をしていた曲でもあります。

 近年の私は、発表会やコンクールにおいて確実性や内面の理解を重視するようになっていました。コチラの記事で詳しく書いているのですが、事前に120%弾けるように準備をして、舞台で80%の力を発揮して、ようやく100%に近くなる、と言った考えです。それが今回は、舞台で120%の奇跡を起こさないと人の心に届く演奏にはならない、自分でもそうわかっている曲に挑戦したのでした。

関連記事:自分の演奏に自信を持つには?凡人のアマチュア演奏家が辿り着いた4つのポイント

 結果としては神風を起こすことはできず、舞台で天啓を受けることもなく、実力通り80%の演奏をした、というところです。本番において壁を打ち破ることができなかったことは悔しいものの、緊張に悩まされることなく本番に臨めたのは大変に有り難いことであり、その中での今回の結果は素直に受け止めるしかありません。

 自分語りのついでに、これまで私がギター音楽大賞で演奏してきた曲を紹介させていただきます。
第41回一般部門:カプリコーンの夢(ディアンス)→奨励賞
第42回一般部門:アッシャーワルツ(コシュキン)→奨励賞
第43回一般部門:アパラチアの夢(デュアルテ)→奨励賞
第44回上級部門:カプリチオ(クレンジャンス)→奨励賞
第45回上級部門:特徴的舞曲(ブローウェル)、ワルツ風に(アサド)でエントリー、コロナ禍のため延期
第45回上級部門(今回):ブエノスアイレスの春(ピアソラ、ベニーテス編)→選外


 これまでに比して、今年はエントリー曲のレベルを三つほど一気に上げました。コンクールのレベルが毎年上がり続ける中で、これまでと同じことをしていたのでは上位入賞は叶わないだろうと考えたのが主な理由です。あとはピアソラ生誕100周年というのも少しありました。挑戦の結果として、自分のレベルを二つほど上げることができ、これまでに演奏できないと思っていた曲を弾くことができるようになりました。しかしレベルを三つ上げ切ることはできず、人との競争の前に自分に負けてしまった感じです。レベルが二つとか三つとか言うのは比喩的なもので、特段深い意味はございませんが。
 
 コンクールを節目として利用し、新たなことに挑戦する。これまで出来なかったことが出来るようになる。こう言った意味で、今回ブエノスアイレスの春に挑戦したことには非常に大きな意義がありました。そして、本番で殻を破れなかったのは素直に実力通りであり、悔しさはあるものの清々しい気分です。負け惜しみでも何でもなく、本当に胸に曇りはありません。曲のよさを伝えきることができなかったので、他の方の演奏と比較する以前の問題でした。

 私はそもそも初めてコンクールに参加する前も色々あーだこーだと悩み続けていたタイプで、演奏と評価、曲のレベルと表現に関しては常に悩み続けています。実は今年の演奏次第ではコンクールを卒業することも考えていました(勘違いされたくないので強調しますけれども、あくまでコンクールでの自分の『出来』次第で卒業を検討していたのであって、コンクールの『結果』次第だったわけではありません)。しかしながら今年は自分の殻を破ることができなかったので、やっぱり来年も挑戦しようかな~、と本日時点では考えています。挑戦します!と言い切らないあたりが我ながらセコい。。

 けどやっぱり、やれることはやった、あとは天と審査員にすべてを任せる!と思えずに舞台を去るのはちょっと辛いや。どんな曲を選ぶかはまた悩む日々が続きますけれど、評価されるされないとかそんな堅苦しいこと抜きに、「曲の良さを出し切れた」と思える演奏を人前でできる時のために、また練習したいと思います。

 ところで、本日そんなことを思いながら家に帰り着くと、娘がまだ起きていてどうだったと聞くわけです。父さんいい結果は出せなかったよ、と言いながら本選賞の表彰状を出していたら、『お父さん!大切なのは結果じゃなくて過程やで!!』と元気づけられました。そんな言葉をいつの間にどこで覚えたんだい、娘よ。そうだよな、このコンクールに参加して得られたものを見つめないとな。

 最後に改めてとなりますが、審査員の先生方、運営の皆々様、本当にありがとうございました。ご入賞の皆様おめでとうございます。次に会うときは反省会(と言うなの打ち上げ)ができるようになってたら嬉しいな。

2021/6/20 初稿
2021/7/14 コンクール動画を追加
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