謙さんの紹介でも書いたのですが、亜美さんも当然ながら(?)むちゃくちゃうまい。お上手です。昔っから、上手。ただ正直なところを言うと、テクニック優先で曲の中の表現力というか抒情のようなものが置いてけぼりになっているように感じるときがありました。
CDレビュー
以前に発売予定を紹介した猪居謙さんの2ndアルバム Ricordi/ イタリアの思い出に寄せる2つの小品 のレビュー記事です。心にないおべっかを使うのが苦手な(嫌いな)私なりの、可能な限りの賛辞となっています...
ところが、デビューアルバムとなった
Black Star を聞いて、いい意味で衝撃を受けました。まず音と録音状態がいい。そして、その綺麗な音とともに、その表現に至った必然性がすっと胸に落ちてくるような、そんな演奏です。加えて、選曲もいいですね。ご本人がインタビューで、「クラシックギターを知らない人に、こんな格好いい楽器なんだ、と思ってもらえるきっかけになりたい」とおっしゃられています。まさに、その言葉通りの、クラシックギターを初めて聞く人に自信をもって紹介できる名盤になっています。
選曲や方向性は、デビュー当時の木村大さん(駿馬やザ・カデンツァ17)を思い起こさせますが、木村大さんがテクニックに重心があったのに対し、猪居亜美さんの方がテクニックを見せつつ曲を聞かせていると思います。
一番のお勧めは、コユンババ(ドメニコーニ)です。自分でも譜読みをしたことがある曲なだけに、余計に表現に目を見張りました。第三楽章後半のテンションの上げ方(上がり方?)と音使いには特に感動しました。CDで言うところの、4曲目の3:00~のところです。これは比喩表現抜きで鳥肌が立ちました。また、ヒナステラのギターソナタやトゥリーナのセヴィリアーナも、勢いの中に節度があって心地よいですね。
一点私として残念なのは、、化粧が濃い目のジャケットになっていることでしょうか。笑 亜美ちゃんは普通の方が可愛い気がするな。まぁこれは好みや方向性ですからねf^^;
PS:
私がクラシックギターを、そしてこのブログを続けている主な動機は、クラシックギターを知らない人に素晴らしさを伝えたい、と言うものです。亜美さんとは土俵があまりにも違いますが、少しずつでも私ができることで、この楽器の魅力を広められたらと思います。
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