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2011/4/9、4/10福田進一先生 公開レッスン内容

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※2011/4/15に初めて福田進一先生のマスタークラスを受講したときの記事です。いま読み直しても勉強になるなぁと思います。あと、こう言ったレッスン内容を忘れていくと勿体無いので、曲は定期的に弾いておきたいですね。※


2011/4/9、4/10に受講しました、福田進一さん公開レッスンでの内容をアップいたします。二日間ハードなスケジュールの中、精力的にレッスンをしてくださった福田先生には感謝です。また、主催してくださった大阪ギタースクールさんにはたいへんお世話になりました。ありがとうございました。

大切なことをたくさん教えていただきました。全て大切なのですが、長くなってしまいますので最初に自分なりの要約を載せます。

「自分の出している音に対して敏感になること」
「基礎を大切にし、背伸びせず一歩一歩上達すること」
「楽譜と真摯に向き合うこと」
「脱力すること」

これらに気を配り、自分で気づけることを増やしていきたいと思います。

以下レッスン詳細
2019年7月17日 福田進一マスタークラス


1日目の公開レッスン(受講曲:プレリュードNo.1 ヴィラ=ロボス)
○押弦について
・ハイポジションを弾く際に、腕が緊張しているため余計なテンションがかかり音程がずれている。変な方向に引っ張らないように脱力すること。ビブラートをかけるのも対策の一つ(後述)
・Eminor部中間、diminishが連続するところにで1弦と4弦を押さえる強さが違う。均一に押さえるように。
・また、平行移動時には1弦上の小指をガイドにして、4弦上の人差し指は完全に話した方がよい。音が多少切れてしまってもよいくらいの気持ちで、弦の擦り音を発生させないことに注力する。
・鉄弦から指を離すとき、必ず真上に離してから移動すること。移動を焦って斜めに動くと、擦り音がでてしまう。

○ビブラートについて
・メロディの上昇時に音が下がる方にずれると直感的に気持ち悪く感じるが、メロディの上昇にともなって上にずれる方にはそれほど違和感を感じない。
・逆に、メロディの下降時には音が上がる方にずれると違和感が大きい。→ビブラートをかけ始める方向を使い分ける練習をする。(ネック側に引っ張ると高く、ブリッジ側に押すと低くなる。)
・ビブラートを指の力でかけるといやらしい音になってしまう。肘を使って腕全体でかけるように。

○ビラロボスらしさについて
 (私の、どこにブラジルらしさを感じればいいかという質問に対して)
・ブラジルらしさと言うわけではないが、ヨーロッパの伝統に縛られなかったところが、ビラロボスらしさとして表われているのではいるのではないか、とのこと。
 例えば
・9小節目の最後の和音の、「シ」が生み出す響きを大切に聞く
・10~11小節目、「シ→♯ラ→(ナチュラル)ラ」の流れから、「ソ」を期待させていて「ソ」に落ち着かないのがビラロボスのセンス。

○プレリュードNo.1に関して、その他
・33小節目の♯ファは、大事に大きく歌わせたいところだが、音が飛ぶので注意が必要。裏技として32小節3拍目のシを5弦で取る方法もある。(ただし音楽的には4弦の方がいい)
・Eminorの最後の箇所で、B7上で最高音が♯ファ→ソと動くところは、実際には音を出さないが転調後Emajorでの♯ソに向かっていることを感じるように。
・Emajorに入った後、2弦シ→シ→シ→♯ドの流れを大切に弾く。

他の方へのレッスン内容
・和声的な響きとなるところでは、たとえ右手が分散して弾くところであっても、予め全ての和音を押さえて準備してしまうこと。
・ギターは4度調弦で和音に強いが、バイオリンやチェロは5度調弦で旋律に強い(ギターはオクターブスケールに3つの弦が必要だが、チェロなら2つの弦で弾ける)。ギターでも、チェロ調弦(低音から順に「ド・ソ・レ・ラ」)とすることで、チェロの旋律感を体験することができる。
・重要でない音は、スラーをつかって楽をするのもよい。
・どんな曲でも自分に献呈されたものだと思って弾くこと。楽譜の指示をまもること
・絵画には完成形があるが、音楽にはない。常に進化し続けるのが音楽。
・スケールなど簡単な練習で、抑揚をつける練習をするのがよい。
・小さい音で大きな音を出す練習をする。
・曲は、「ちゃんて」弾けて→「おもしろく」なって→「深く」なる
・長調と短調で響きを使い分ける
・いいときの演奏を覚える


二日目の午後は聴講者参加型セミナーということで、ギターを持ってきた聴講者が順番に壇上に上がりながら、演奏時の姿勢や基礎練習の方法などを中心に教えていただきました。


※言葉だけで演奏姿勢を伝えるのはたいへんに難しいです。また、私の解釈によるところも入っています。もともと、演奏姿勢は教える先生によって違うこと箇所も多いですし、演奏者の体格にも影響されます。ここで書いていることを鵜呑みにして無理な矯正をし、故障なさらないよう、ご注意ください。あくまで参考ということでお願い致します。

・足は肩幅くらいに開き、椅子に軽く(浅く)腰掛ける。
・そのときの左足の位置に足台をおく。足台は高くしてうっ血しないように。
・両手の助けなしにギターが釣り合う位置/角度を探す。
・釣り合う位置がわかったら、そこから手前に倒してくる。これが基本の姿勢。

・右手を、脱力状態でサウンドホールを隠れるくらいの位置まで持ってくる。
・特に女性や子供では、右肩を入れすぎる人が多いが、そうならないよう注意する。
・鎖骨を開き、胸の前に空間を作った方が、フォルテを歌いやすい。

・左手は完全に脱力した状態を作る。特に手首の脱力に注意。
・脱力すれば、手は自然と鉤状の形となる。(「J」を逆さにした形というんでしょうか?)
・そのときの指先の作る形はDm(ディーマイナー)に近い。
・鉤の形を保ったまま1弦に乗っかり、左手の腕の重みをつかって押さえる。握力は使わない。
・左手の方をのぞき込まないよう注意する。指の動きはなるべく目だけで追いかけ、首ごといかないように。

・2弦、3弦と低音側に移動するときは、手首を脱力したまま親指を支点として前方に押し出せばよい。そうすることで、指が自然と拡がり押さえられるようになる。(※脱力できていないでこれをすると、逆に手首を悪くしそうなので注意して下さい)
・フレットを移動するときには、肘から平行移動する。
 指と指板の作る角度は常に一定となるように。
・鏡を見ながら練習すれば、のぞき込まなくても自分の指の状態がわかるし、自分の姿勢も客観的にわかる。
脱力に関して別記事にまとめて投稿しました

クラシックギターのための、腕・手の脱力方法


文章だけで表現するのはなかなか大変ですが、だいたいこんな感じです。握力をつかわない、腕の重みで押さえる、ってところまでは意識したことがあったけれど、手首の脱力で指の拡がりをコントロールするってのは目から鱗でした。

また、演奏に対する心構えとしては、下記のようなこと繰り返しおっしゃっていました。
・簡単な曲を完璧に弾く練習が必要
・最初から難しい曲を弾こうと思ってはいけない。
・基礎練習、簡単なエチュード、シンプルな曲、そう言った薄い紙が少しずつ少しずつ積み重なって層となり、時間を掛けてようやくレベルの高い曲を弾けるようになる。
・レッスンに関しても、受講曲が難しすぎると、様々な要素が絡まり合ってしまうので技術的な指摘がしにくくなる。簡単な曲なら、使用する演奏技術も単純で明解なので、その場で指摘/修正がしやすい。
・ポップスならばビートルズのような天才が現われる可能性があるが、クラシックでそのようなことは考えられない。時間をかけて積み上げられてきたクラシックのエキスを注入してくれる誰かに学ぶことが必要。

福田先生の妥協のないプロ魂のおかげで、たいへん有意義な二日間を過ごすことができました。


2011/4/15:初投稿
2019/7/12:加筆再投稿
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