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速弾きが苦手な筆者が考える、ギターの速弾きに強くなるための練習方法

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スケールの速弾きの練習方法と、アポヤンドに頼りすぎずに速弾きを乗り切る方法です。何か1つでもみなさんの気づきのきっかけになれば嬉しく思います。
・右手の練習方法
・左手の練習方法
・両手での実フレーズ練習方法
・そもそも、曲中で少しでも楽をする方法
の4つの観点から、つらつらと10個ほど、ポイントを列挙してみました。

そもそも私は速弾きが苦手。。


速弾きの記事を書いておいてなんだそりゃ、なんですけれども、そもそも私は速弾きが苦手です。。しかし、先日トレモロの練習方法が参考になったという方に、「アポヤンドでの速弾きの記事」をリクエストいただいたんですよね!これはぜひ書かないと。

苦手な人の練習方法に需要があるのか、と少し思いもしましたけれど、逆に苦手な私だからこそ気づいた問題点や改善方法もあるかもしれません。「何か知らんけど速弾きできる」人よりも、「速弾きできなくてうんうんうなっている人」の考えの方が、実はヒントになるかもしれません。なるほどこんな視点もあるのか、という視点でご覧ください。

○右手の練習


①指を戻す練習をする


フラメンコギタリストには速弾きが得意な奏者が多い。これは、ラスゲアードの練習により「指を戻す(開く)動作」を訓練しているからだ、と言う仮説に基づきます。とまぁ、一口にラスゲアードと言っても様々なラスゲアードがありますけれども、ここでは右手小指~人差し指までを順に開くものを想像してみてください。この動きは、通常クラシックギター曲の演奏ではあまり要求されません。この動作や筋肉を強化すれば、速弾きも速くなるのではないか、と言う考えです。

音を出す際には、「弦を弾く(はじく)」動作に注目しがちです。けれどこれを細分化すると、下記に分解できます。
1) 指を弦に触れさせる
2) 指で弦を弾く
3) 指を弦の上側に戻す
1) 指を弦に触れさせる、に戻る、以降繰り返し

3)の戻す動作は、脱力の観点からは、筋肉の緩和だけで行うことが可能です。力を入れて弦を弾いたあと、力を抜けば指が自然と元に戻る。通常はこの「自然と戻る」感覚が推奨されるわけですけれど、ここではあえて、筋肉で「うりゃーっ」と元の位置に戻す訳です。

ギターの演奏に筋肉や筋トレが必要か、と言うのは常に論争の的です。私の考えは、「故障しないことが何よりも重要だ」と言うことと、「とは言え骨だけではギターは演奏できない」と言う事です。無駄な筋力に頼らないことと、筋力も使うことを両立させるのでも良いのではないでしょうか。アウフヘーベンですね(小池都知事風)。せっかくなので、ラスゲアードの練習をして筋肉の動かし方を練習すれば、速弾きにも少しは効果が出るのではないでしょうか。

②手首の位置、角度を変える


右手の撥音を速くするためには、指を速く動かす以外に、指と弦との接触距離を短くする方法があります。そのためには、指の動く方向と弦との角度を垂直に近づければよいですね。手首を表面版に近づけると、指を同じように動かした場合に、指と弦との接触距離が短くなり、結果撥音が速くなります。

また、タレガのフォームのように、手首を小指側に少し倒すことによっても、弦と指の角度の調整が可能です。この方法は、撥音方法を変更するため、音色にダイレクトに影響することに注意が必要です。逆に言うと、音色を犠牲にすることで速弾きがしやすくなります。色々な角度や方向を試してみてください。また、くれぐれも怪我だけはなきように。


③小さなフレーズに分けて練習する


im(mi)、imi(mim)、imim(mimi)・・と、撥音数を少しずつ増やしていく方法です。だいたい、2、3音までは入るんですよ、速くても。それを少しずつ地道に鍛えていくわけですね。

例えば陸上短距離の練習方法に、車などに引っ張ってもらい自分の実力以上の速さを体感する、と言うものがあります。自分の知らない世界を体験すると、それだけで走りが変わると。ギターでは残念ながら車で引っ張ってもらうことはできませんが、同じようにごく短いフレーズから成功体験を積み上げることはできます。

○左手の練習


④下りフレーズで、指を先に予約する


抑えることが必要な全ての指を、先に全て抑えてしまう方法です。例えば1弦で「ドシラ」と弾く場合、最初にドを鳴らす時点で8fを4指、 7fを3指、 5fを1指で先に全て押さえてしまうのです。最初に予約をしてしまえば、その後はシ=7f, 5f、ラ=5fと、左手は不要になった指の解除のみを行い音を出していくことができます。

この下り予約の方法には流派(?)があります。例えば福田先生は、「左手の指は4つとも一気に抑えとけばええやん」派ですね。上の例なら、実際に音には出さない シ♭=6fも2指で抑えておいて、7f3指を離すタイミングで6f2指も一緒に離す。こうすれば左手の予約はいつもの同じで、練習方法が1つで済むと言うメリットがあります。

ただこのやり方だと、暗譜が辛くなるんですよねぇ。出さない音も抑えるので、逆にどの音を出すのか混乱の原因にもなります。。まぁ考え方さえ理解し練習すれば、どちらを採用してもいいと思います。

⑤セーハを有効活用し、1指の動きを減らす


これはそのまま。動きを省けるところは省きましょう。1指を半セーハの状態にすることで、動きが減らせる場面は多いです。

○両手での実フレーズ練習方法


⑥右手のみで弾いたあとに、左手も合わせる


両手で演奏する際の注意点として、左右の指のタイミングを合わせることがあります。これは意外と盲点になりがち。左手の押さえが甘いと勘違いして力むことがありますけれど、実際は押さえるのが遅い(あるいは早い)だけのこともあります。そんなときに、右手だけ先に弾いてみて、リズムを耳で把握する練習がとても役に立ちます(確か現代ギターでキムヨンテ先生が書いてらしたような・・)。自分が右手で実際には出す音は、楽譜を通して頭で考えている音とは微妙に異なるわけです。その微妙なタイミングを耳から聞こえる音として把握し、それに左手の押弦/離弦タイミングを合わせこむわけですね。これは一度やってみると効果を実感できると思います。

⑦小さなフレーズに分けて練習する


右手の練習で書いた方法の、両手バージョンです。例えば「ドレミファソラシド」と8音でスケールが構成される場合、「ドレミファ」「ミファソラ」「ソラシド」と弾いてみる。また、「ドレミファソ」「ミファソラシ」「ファソラシド」とする。集中力と瞬発力で弾ける範囲を少しずつ拡大していくことで、結果として全体を弾けるようにする方法です。


○曲中で少しでも楽をする方法


⑧アポヤンドにこだわらない、アルアイレも使う


別にアポヤンドで速弾きしなくても、アルアイレでもいいんじゃない?音の出し方はあくまで手段であって、出てくる音が全てだから。得手不得手、向き不向きがあると思うので、自分が得意と思うやり方で楽をすればいいと思いますよ。。

⑨大切な音以外は流す


出だしの音、大切な音さえミスなければ、あとは適当に弾いたらいいですよ、聞いてる方にはわかんないですから。むしろ大事な音以外は流した方が耳に聞こえやすいですよ。
全ての音を、同じ重要度で完璧に出そうとするからしんどいんです。スケールが入らないからその曲を弾くことを諦める?それとも、そこは流して曲全体で何かを表現する?

⑩imだけでなく、pもaも使う、スラーも使う


指2本じゃなく、3本でも4本でも、使えるものは何でも使っちゃいましょう。スラーもしたらいい。速弾きスケールは確かに派手で格好いいですが、音楽的にそれらの音が全部バチバチ鳴る必要があるかは別です。それよりは、p, a, スラーも全て活用し、imの逆指を回避する運指にする方が弾きやすく、結果聞いてもらいやすくなります。下りのフレーズでpを使う、piを連打する、などの選択肢を持つと、楽をできるところが意外とたくさんあります。

若い方には比較的、「練習して速弾きをマスターするんだ!」と言う真面目に情熱的な方が多いように感じます。私も漏れなくそうでした。けれど、年を取ってくるとだんだん、「どう考えても無理や」になって、「効率よく楽しよう、音楽性さえ損なわれなければ構わんかまわん」ってなっていくように思うんですね。私はそうなりました。周りの音楽の方の音楽談義も、アスリートチックな鍛え方というよりは、うまく折り合いつけながら音楽を楽しむ方向に自然と変わっていくように思います。

何より避けないといけないのは、まずは無茶な練習による故障。その次に残念なのは「スケールがテンポにはいらない」と言う理由で曲を諦めることではないか、と思います。アポヤンドもアルアイレも、スラーもスケールも、全て音楽を楽しむための手段です。手段と目的を間違えず、好きな曲を楽しみたいですね。


トレモロ奏法の上達に必要な、たった一つの練習ポイント スタッカートを意識して粒を揃える

あとがき
私なんかに速弾きの記事が書けるのか・・?と半信半疑でしたが、いざ構想を練り始めたらさっと書くことができました。聞かれたら全力で答える。倍返しだ!本ブログは、みなさまのご意見ご質問でなりたっています(最近ネタ不足が深刻)。これからもよろしくお願い致します。

今回は文字のみで記事を作成しましたが、詳しく説明してほしい、という要望がありましたら楽譜や動画を準備することも考えてなくもないです・・でも要望がなかったらやらないかな。。

あしゃおの質問箱 匿名でお気軽にどうぞ: https://peing.net/ja/asaoguitar
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コメント

No title

あしゃお様、こんにちは。

速弾きの記事ありがとうございます。
今から、じっくり読ませてもらいます。

そうとうボリュームありそうですね。
楽しみです。
読み終えたら、またコメントします。
ありがとうございます。

よろしくお願いします。

Re: No title

wardell様

早速のご訪問ありがとうございます。
気づきのきっかけになることが重要かと思い、個々の内容は必ずしも親切とは言えませんので、意図が通じないところがあれば聞いてくださいね。

おかげさまで私も思考の整理かできました、ありがとうございました。

No title

あしゃお様、こんにちは。

速弾きの内容しっかり読みました。
ここまで、速弾きに特化したコンテンツは、今まで他で見たことありません。
ありがとうございます。

特に「左手の下りフレーズで、指を先に予約しておく」
これは、知りませんでした。
僕は、スケール等、上りよりも下りが苦手なのですが、この方法で弾けば、確かに的を得ている感じがします。
そこで質問なのですが、この左手の予約は、実際プロの方にとっては、当たり前のことなのでしょうか?(下りフレーズの時は、予約するのが当たり前?)
あしゃお様含め、皆さん実際にステージでもこのような弾き方が主流なのでしょうか?

ちょっとわかりづらい文章になってしまったかも知れませんが、よろしくお願いします。


Re: No title

wardell様

私が知る職業ギタリストの方には、左手の予約を採用している人が多いように思います。ただし、細かい方法は人それぞれではないでしょうか。

例えば本稿の例では、1,3指を予約するタイミングは4指と必ずしも同時である必要はありません。「ドを鳴らしたあとシを鳴らすまで」の間に予約すればよいのです。そこには自由度があり、人それぞれにやり方も異なるようです。

どうやって正確性を上げるか、どうやって楽をするか。その考察の結果が「予約」と言う同じ方法に帰結するのではないでしょうか。

これらのポイントを、結論ではなく考察のスタートとしてご活用いただけますと幸いです!

No title

あしゃお様、こんにちは。

左手の予約、よくわかりました。
速弾きに限らず、この弾き方は有益ですね。
練習する時に、意識して取り入れてみようと思います。

「右手のみで弾いたあとに、左手も合わせる」

この練習方法も良いですね。
右手、左手をシンクロを確認する意味で、これは良いですね。
さっそくやってみます。左手が、遅いのか先走っているのか、自分でもわかっていないので、ちょっと面白そうです。

また何かありましたら、質問させてもらいますので、よろしくお願いします。
今回はありがとうございました。
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