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出田りあ&村治佳織デュオリサイタルを聞いてきました

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マリンバ奏者の出田りあさんと、クラシックギタリスト村治佳織さんのデュオリサイタルを聞いてきました。マリンバと言う普段馴染みのない楽器を、村治さんを通じて知ることができ楽しかったです。

リサイタルの感想の第一声でこれを言うのは失礼かもしれませんが、初めて生で見る村治佳織さんがお美しくて、ため息が出そうでした。お顔立ち、スタイルが良いのに加えて、所作が洗練されている。舞台上で多くの方に見られることに完璧に順応している、そんな感じでした。

以下、好き勝手な感想の後に演奏曲の一覧を載せています。
パンフレットで曲目を見て意外に感じ、また聞いてみて良かったと思ったのはヨークのサンバーストでした。ギターソロとして完成しているけれど、ともすれば技巧でガチャガチャしかねないサンバーストと言う楽曲。これに対して、マリンバの出田さんが、リズムパターンはこうだよ、メロディはここだね~、ちょっとハモってみる?、みたいに合いの手いれていくスタイルは凄くいい。ギターのソロ曲で閉じていた世界を、解釈と異楽器でぐーっと拡げていく感じ。このパターンもっと聞いてみたい、と思うのはギタリスト目線でしょうか。

逆に、ギター以外の原曲があり、かつギター二重奏で知られた編曲があるものは、ギターとマリンバと言う新しい組み合わせが制約になっているときもあったように感じられました。個々の技量は十分に感じるものの、ギターデュオの1パートをマリンバに置き換えたようになっているというか。2つの個性の異なる楽器の融合はまだ試み途上のところもあるのでしょう。これからもっともっと良くなっていくのだろな、と思います。

それから演奏に関して、お二人とも完全に無傷と言うわけではないのに、それが全然不快に感じないのが不思議でした。たまに(ほんとにたまにですよ)ちょっと音がビビったりとか、完全なるノンミスではないんですけど、でもそこで音楽が止まらない。聞いていてマイナス要素に感じないんですよ。ということは、もしかしたらそれはもうミスじゃないのかもしれないですけど。

例えばミッション車に例えると(とこの時点で伝わらない人の方が多い意味不明な例えですけれど‥)、低速の発進したてのときってアクセルに連動してスピードがガクガクしたりブレーキがめっちゃ効いちゃったりして、スムーズに運転できない場合があります。それが高速走行になるとスピードも安定してスイスイ走られる。高速の定常クルージングだと、ちょっとしたハンドルの揺れやアクセルの細かい揺らぎってほとんど気にならないですよね。ちょうどそんな感じで、リサイタルの1曲目の最初のフレーズからもう安定運転が始まってる。なんなら、入場の事典からもう落ち着いてるし、いつでも何回でも弾ける。そんな感じでした。


あと完全に余談ですが、一部と二部の間で衣装替えがあったんですよね。で、衣装にまつわるトークを挟んで、「では第二部は映画音楽のシェルブールの雨傘を~」とか言いながら村治さんがギター触ったら、調弦がドロップDで急いで直してたのは笑いました。いや確かに一部のラストはサンバーストだったけども!幕間着替えただけで調弦なんもしてなかったんかーい!、って笑

・2022/7/15(金)@宝塚ベガ・ホール
※パンフレット記載から、演奏曲目は変わらないものの曲順は変した、と途中MCで説明がありました。曲目冒頭のGはギターソロ、Mはマリンバソロ、無印はマリンバ&ギターデュオを示します。

第一部
5つのバガデルOp.23 第4番フォルナーラ(ジェラルド・フィンジ、Alexander Krampe編)

映画『ニュー・シネマ・パラダイス』より(エンニオ・モリコーネ、鈴木大介編)

バレエ音楽『三角帽子』メドレー(マヌエル・デ・ファリャ、鈴木大介編)

G: エターナル・ファンタジア 薬師寺にて(村治佳織)

G: ミュージカル『キャッツ』より「メモリー」(アンドリュー・ロイド・ウェバー)

G: タンゴ・アン・スカイ(ディアンス)

映画『ディア・ハンター』より「カヴァティーナ」(スタンリー・マイヤーズ、出田りあ編)

サンバースト(アンドリュー・ヨーク、出田りあ編)


第二部
シェルブールの雨傘(ミシェル・ルグラン、水野久興編)

来たるべきもの(アストル・ピアソラ、出田りあ編)

M: Far Away(彼方の光)(村松崇継、出田りあ編)

M: アヴェ・マリア(プライズマン、出田りあ編)

シシリエンヌ Op.78(ガブリエル・フォーレ、出田りあ編)

鏡 第4曲「道化師の朝の歌」(モーリス・ラヴェル、出田りあ編)

アンコール
ムーンリバー(ヘンリー・マンシーニ)
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