全てのコマに、全てのセリフに意味がある
『フィクションには無駄な構成は一切登場しない。小説はすべて作者の意図を含む、なぜなら全てが作者の創作なのだから。』私にそう教えてくれたのは、高校時代のS先生でした(
S先生の思い出:日記です)。その極地が、進撃の巨人です。全てのコマに意味がある。違和感を覚えた箇所には、何か引っかかったところには、必ず何らかの意図があり、理由がある。きっとアニメの『ストーリー監修』の文字にも何か意味があるはずだ。それを示してきたのが、まさにこの進撃なんだから。
川窪慎太郎さんって?
川窪慎太郎さんは、愛称バックさんで知られる少年マガジンの編集者です。デビュー前の諌山創さんによる読み切り版『進撃の巨人』の持ち込みを入社1年目の時に受け、その才能を見抜いて進撃の巨人を別冊少年マガジンの看板作品に、引いては全世界にムーブメントを巻き起こす大作に引き上げた伝説の編集者ですね!インタビューとか結構いろんなところで、諌山先生と一緒に露出されてます。有名なところでは、9巻第36話「ただいま」で死ぬ予定だったサシャに関して、「サシャをここで死なせてしまうのはもったいない」とコメントし、プロットが修正されたとの逸話があります(そしてその結果、マーレ編のあのエピソードができるところが諌山先生の恐ろしさでもありますが・・)。
『進撃の巨人の原点』 諌山創X川窪慎太郎 ロング対談
https://febri.jp/topics/shingeki_interview/そんな川窪さんの名前が、『ストーリー監修』って形でFinal Season Part2のオープニングにクレジットされてるんですよ!なんか不穏なものを感じません?そして、視聴者が違和感を持ったと言うことは、そこには何かしらの意図が込められているはずです。
??なぜ何かあるはずとわかるんだ?
??そんなことすぐわかるだろ?なぜなら俺は進撃の巨人を信じている!!(うおおおおお!)
…と言うわけで(?)、過去のOPで川窪さんの名前は出てたかなぁ、と調べてみました。
過去のオープニングで川窪さんはどのようにクレジットされている?
もし今回だけ川窪さんがストーリー監修しているんだったら、今後何かが起こる前触れなのでは??過去のOPはどうなってた?というわけで調べてみました。
・Season1、Season2、 Final Season Part 1:企画協力として、少年マガジン編集部の他の方と連名でクレジット
・Season 3、Final Season Part2:ストーリー監修として、川窪さんのみ単名でクレジット
※連名などの詳細は
本稿末尾に記載※
結果、過去にも川窪さんがストーリー監修しているシリーズがありました!Season3です。シーズン3 Part1 王政編と言えば、ストーリー及び構成が原作漫画から大きく変更されたことで有名ですね。
王政編では、諫山先生の意向もありアニメで構成が変更された
進撃の巨人の王政編は、それまでの人間対巨人のシンプルな対立から、人間対人間に大きく構成が変わったタイミングでした。こう言った大きな転換があってもずっと面白い、それどころかどんどん面白くなり続けるところが進撃の巨人の真骨頂であると私は思いますけれど、一方世間一般では「間延びした」と言われることもあるようです。そして諫山先生ご本人も『少なくとも自己評価としては大変不甲斐ない思い』、アニメの方を『自分の力では成し得ない理想化された脚本』と言われているのです。
そうです、王政編Season3 Part1では、原作者である諫山先生ご本人の意向もあり、原作からアニメで構成が大きく変更されているのです。
原作でいう13巻~16巻辺りは
12巻まで描き切った反動からか
ほかならぬ自分の力不足ゆえに
正直、燃料切れのような有様でして
毎月不本意に間延びする原稿を何とか
提出しているような状態でした
少なくとも自己評価としては
大変不甲斐ない思いでしたので
三期のアニメ化につきましては
制作初期の段階から、どうかこの辺りは
物語の役割に対し適切な尺に改編して欲しいですと
ご相談させていただきました
その結果、今回の構成は自分の力では成し得ない
理想化された脚本が完成しました!
まず、一校目の段階でもう良かったです!
シリーズ構成の小林靖子さんの手腕により
話がごっちゃごちゃの原作に綺麗な筋が
スウッーっと通され
そこに瀬古浩司さんが得意な渋い表現で
原作の拙かった所に説得力が持てるようになり
また、その全体の指針をまとめていただいた荒木監督
キャラクターに命を宿すキャストの皆様
制作に関わる皆様のおかげで、おかげさまで!
今回も無事、死後は成仏できそうです!
進撃のアニメ三期!放送開始!(諫山創公式ブログ『現在進行中の黒歴史』より)
上記ブログではシリーズ構成小林靖子さんへの言及のみで川窪さんの名前は出てこないわけですけれど、このSeason3 Part1オープニングのクレジットでは、『ストーリー監修 川窪慎太郎』の表記があったわけです。これはもう、何というか、、Final Season Part2でも何かあるんじゃないか?期待するなと言う方が無理があるじゃないですか?!
とは言え、同じく川窪さんがストーリー監修となっているSeason3 Part2では、原作からアニメで目立った改変がなかったと記憶しています。なので、今回のアニメで何が起こるか、あるいは起こらないかはまだ分かりません。
結局ファイナルシーズンはどうなる?
という訳で、期待を含んだ私の予測(妄想)です。
・Season3の企画時、何クール何話で原作のどこまで消化するかを検討。その結果、Season3 Part1で再構成した王政編を、Part2でウォールマリア奪還作戦~海までとすることを決定。
・この内容に川窪さんが大きく関与したため、Part1,2ともに『ストーリー監修 川窪慎太郎』の表記となる
・Final Season Part1は、29巻まで原作通り進むことがすんなり決定。川窪さんのクレジットは通常通り『企画協力』に。
・その後29巻~最終話までのアニメ化を検討し、原作からの構成変更や映画化など、何かが起こることが決まる。そこに川窪さんも大きく関わるため、クレジットも『ストーリー監修』に。
せっかく色々調べたのにはっきりとした理由がわからなくて、、俺は、がっかりした。。なんちゃって。少なくとも、現在のアニメ進行だと最終回まで1クールに収まるか極めて微妙な速度。アニメオリジナル展開は来るのか?最後は映画化するのか?!と期待と憶測が入り混じります。まぁでも、どう転んでも最後まで面白いに決まっていますからね!最後まで見届けたいと思います。
おまけ:クレジット一覧
最後に、確認したクレジット表記の一覧です。
Season1 Part1:紅蓮の弓矢企画協力
週刊少年マガジン編集部
森田浩章
川窪慎太郎
Season1 Part2:自由の翼企画協力
森田浩章
週刊少年マガジン編集部
菅原喜一郎
川窪慎太郎
Season2:心臓を捧げよ企画協力
週刊少年マガジン編集部
菅原喜一郎
川窪慎太郎
菊地優斗
Season3 Part1:Red Swanストーリー監修:川窪慎太郎
Season3 Part2:憧憬と屍の道ストーリー監修:川窪慎太郎
Final Season Part1:僕の戦争企画協力
週刊少年マガジン編集部
栗田宏俊
川窪慎太郎
菊地優斗
Final Season Part2:The Rumblingストーリー監修:川窪慎太郎
こうやって見ると、やっぱり何かありそうだよな~。。意味なく表記方法変えるとは思えないもん。期待してるぜ、バックさん!
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