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パソコンからマウスとキーボードを取り除く話。当たり前を止めて新しい世界を作り出す

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※コロナ禍の始まる少し前の2019/11に記載した本記事。当時はこんな日々が来るとは思ってもいませんでした。しかし、残念なことにこれまでの常識が通用しない時代が確実に始まってしまいました。

私の周りでは、これまでの対面レッスンだけでなくオンラインレッスンにも対応する教室が増えています。これも、1つの転換ですね。過去のやり方や当たり前に敬意を表しつつ、新しい世界を模索したいものです。※


新しいものを作り出すコツとは、一見当たり前に思えることを止めることから始まる。そんな話をかつてセミナーで聞いたことがあります。話者は日産の元エンジニアで、GTR開発で有名な水野和敏さんでした。そんな話をクイズ形式でお届けし、常識を疑うことの大切さを考えてみたいと思います。

では第一問。あ、答えは普通に書いていますので、ゆっくりスクロールしてくださいね。。

パソコンから〇〇を取っ払う


パソコン、みなさん知っていますね。はい、これから、当然必要だと思われているあるものを取り除くことで、今世紀を代表する製品が生まれました。


では、まず取り除かれたあるものとはなんでしょうか??

それはキーボードとマウス。さて、この2つを取り除くと、一体何ができるでしょうか?


答えは、iPad(タブレットPC)でした。

こんな感じで、どんどん行きますよー。


掃除機から〇〇をなくす


さぁ、電機メーカーのエンジニアの気持ちになってください。「画期的な掃除機を作れ!」by社長。さて、掃除機から何をなくしましょうか。
無くすものは、ホースです。さて、何ができますか?


答えは、ルンバ(iRobot)でした。自動掃除機は、確かに従来型のそれと比べ、見た目が全く違います。人が使うことを前提としないのであれば、ホースという構造は確かに不要ですよね。


扇風機から〇〇を取り除く


次は扇風機です。扇風機に必要不可欠に思える構成を1つの取り除きましょう。

取り外すのは、、羽根です。そしてできるのは、ダイソンの羽根のない扇風機でした。

これはあくまで思考実験であり、必ずしも発明の過程がこの時間軸であったことを意味するものではありません。けれど、「一見必要不可欠な何かをなくす」と言う制約が、新しいものを生み出すきっかけになりうる、と言うことはご理解いただけるのではないでしょうか。


例えば、「食器洗いでスポンジ禁止!」と言われたら、いまの全自動食洗機に行き着くようにも思いますね。私の想像ですが、最初に「食洗機を作るぞ」と思った人は、たぶんアームでスポンジを動かして食器を洗うことを考えたと思うんですよ。知らんけど。そこから様々な試行錯誤を繰り返し、お湯と水圧を利用するスポンジ不要のいまの形に落ち着いたのではないでしょうか。けれど、最初に「スポンジなしで食器洗いできらんかなー?」と言う問を設定することで、別ルートから素早く自動食洗機に行き着くこともできるのでは、と思います。


止めることを決めることがマネージャーの責任


ここで上げたような例は、すでに先例があるのでクイズとして成り立ちますが、世にない段階でこれを考え出すのはとても難しく、とても素晴らしいことです。これを受けて水野氏の講演は、「何かをやれと言うことは誰でもできる。やらないこと、止めることを決めることこそがマネージャーの責任である」と言う組織論へと繋がっていきました。面白く示唆に富んだ話だなぁと今でも記憶に残っています。

「常識を疑え!」とか「新しいことを考えろ!」と言う中身のない号令ではなく、具体的な無くすもの、やめることを決めてあげる。「それはしなくていいよ」と言ってあげることこそが肝なんだと思います。




クラシックギターでも何かをやめてみる?


足台、と言うクラシックでは当然のスタイルをやめると、エルゴプレイ、ギターレスト、ギターリフトと言った支持具が生み出されます。

例えば右手の爪を磨くのを止めたときに、指頭奏法以外で魅力的な音を生み出す方法はないのか。対面レッスンを止めたときに、何か効率的なスキル伝授方法は考えられないか。こう言った「制約」を意図的に与えることが、何か全く新しいクラシックギター像を生み出すきっかけになるかもしれません。五線譜止めるとかね。

ギターの構造と言う意味では、ダブルトップギターやラティスギターと言うのも、従来の力木構造から解き放たれて生まれた新たなギターと言えるでしょう。例えばペグを止めることに何かきっかけがあるかもしれません。

ダブルトップギター、ラティスギターの考察を通じ、ギターに必要な音量に関して考える。


あなたは、あなたの大切なものから何を止めますか?


仕事から通勤を除けば在宅勤務。テレビからディスプレイをなくしてプロジェクター。買い物で現金授受を止めればキャッシュレス。あなたの身近にもあなたの日常にも、きっと当たり前を変えることで生まれる何かが潜んでいると思います。さぁ、何かを変えてみませんか?あなたは何を止める?


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