指数対数→dB(デシベル)
あなたは小学生で、お小遣いを100円もらっています。ある日、お小遣いが100円増え、200円になりました。どうでしょう、とても嬉しいですね。おやつを2倍買えるようになりました。
さて、あなたは成長しいまや大学生です。お小遣いは10,000円です。ある日、お小遣いを100円増やしてもらい、10,100円になりました。どうでしょう、小学生の頃と同じくらい嬉しいですか?
いやいや、100円ポッキリ値上げされても嬉しくないよ、20,000円にしてくれ、と突っ込みたくなりますね。そうです、人の感覚は足し算ではなく、掛け算に近いのです。この感覚を表す経験則が、発見者二人の名前から「ウェーバー・フェヒナー則」と呼ばれています。
ウェーバー・フェヒナー則自体は、掛け算を繰り返すことで感覚を大きくすることができます。そうすると、10,000円、20,000円くらいまではいいかもしれませんけれども、例えば2倍を8回もすると、1,280,000円とかになり桁が大きくなりすぎて訳がわかりません。ぜひ訳がわかりにくいくらいのお小遣いをもらってみたいものいたいものです。そこで、「2倍する作業を8回行った」の、「8」回という数値で評価しましょう、という考え方が出てきます。これが対数の概念です。2倍なのか5倍なのか、と言うところは系次第ですけれども、足し算ではなく掛け算だ、という基本は変わりません。
音楽再生系のボリュームも、基本的にこの考え方でできていて、デシベル(dB)という単位を使います。テレビの音量とかアンプとかも、音声を大きくしたときは、実は音の持つエネルギーは掛け算で大きくなっていくのですね。こんなことを知っていると、対数の勉強も少しは面白く感じるのではないでしょうか。
対数が使われるシーンは、他には地震の規模を示す「マグニチュード」があります。マグニチュードは、数値が1大きくなると31.6倍に、2大きくなるとエネルギーが1000倍(=31.6 x 31.6)大きくなります。マグニチュードが4大きくなると1,000,000倍。数字が大きくなりすぎてクラクラしますね。なので、対数を使うのです。
音楽の世界と言うのは、数学や物理と切っても切れない関係にあります。「俺は音楽家になるんだから勉強なんて不要だ!」なんて言わず、素養ある音楽家になるためにも勉強はしましょうね。
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