2020/01/13
アンダーグラフ結成20周年おめでとう
本日は成人の日です。二十歳になられた皆様、ご家族の皆様おめでとうございます。さて、今年で結成20年を迎えると言うことで本日成人記念配信を行ったバンドがあります。アンダーグラフ。私の好きな、私が1番ライブに行ったであろうバンドです。
心の奥底にある喜怒哀楽を表現する
アンダーグラフ。「表面的でない心の奥にある喜怒哀楽を形にした音楽を創っていく」という意味が込められている(Wikipedia)。
2000年に結成されたこのバンドは、2004年のメジャーデビュー曲「ツバサ」が大ヒットし、一躍有名となる。しかし悲しいかな、デビュー曲があまりにも売れたため、最も売れたシングルもその「ツバサ」と言う悲しい宿命をも背負ってしまうこととなった。「人はツバサを持つと自由になれるのですか」長澤まさみが主演したPVは、アンダーグラフと聞いてピンとこない方でもご存知の方が多いのではないだろうか。
ちょうど哲学に興味を持ち始めた時期に彼らの音楽に触れた
彼らがメジャーデビューした2004年というと、私がちょうど大学で研究室に配属された時期。私がいくら考えても理解できないことを簡単に飛び越えていく人たち、「努力をする天才」と言う存在を目の当たりにした私は1つの疑問を持った。「天才と呼ばれる人たちが『人生』について本気で考えたとき、一体どのような考えを導き出すのだろうか」と。
最初に読んだのはデカルトの方法序説。ちなみにデカルトは、「我思う故に我あり」であまりにも有名な哲学者であると同時に、「デカルト座標」に名を残すように数学者てもある。哲学者として歴史に名を残す人の中には、数学者、物理化学の分野でも有名な人が多い。逆もまた然りで、微積分の分野で有名なライプニッツは、哲学者としても名高い。当時二十歳を過ぎた頃の私は、数学の天才達が哲学者としても有名なことに興味を覚えた。研究室や大学院の選択、そしてその先に鎮座している就職活動など、漠然としつつも大きな悩みを抱える私が「天才」たちの道標に興味を持つのはある意味必然だったと思う。
アンダーグラフは、私にとって哲学だった
彼らの作り出す音楽は、自ら「心の奥にある喜怒哀楽」と言うように、心の奥底にある思いに根ざしていた。少なくとも私にはそう聞こえた。
デビュー曲「ツバサ」であれだけ売れた彼らである。セカンドシングル「君の声」も、ツバサにはかなわなかったが売れた。売れ筋路線を選ぶこともできたはずだ。結果として実るかは別としても、「世間に迎合する」と言う道もあったろう。しかし、彼らはそれを選ばなかったようだ。その分、「最大公約数」を狙わなかった彼らの曲は、歌詞は、私の心を深く捕まえた。
「あなただけを愛している」だとか、「生まれ変わっても君に会いに行く」とかそんな曲を書くこともできたはずだ(いや、もしアンダーグラフがそんな曲も書いてたらごめんなさい。。あるような気もするけれど、勝手ながらそれは彼らの本質ではないようにも思う)。しかし彼らはそちらに向かわなかった。その変わりに出てくるシングルが「ユビサキから世界を」である。あなたを抱きしめる代わりに、ユビサキから世界を変える歌だ。
その後彼らは、「ジャパニーズロックファイター」の印税をワクチン配布のために寄付するなど、実際に世界を変える活動を行っていく。
哲学は、自分の疑問と同調したときにその真価を発揮する
自身の実感を伴わない哲学的問いや答えは、たぶん何も面白くない。しかし、自分が疑問に思っていること、悩んでいることに取り組んだ哲学説はその人を捉えて離さない。私にとって、真戸原直人の書く歌詞はそう言った哲学の1つだった。
「この人は私のために歌ってくれている」「この曲は私のことを歌った曲だ」なんどそう思ったことか。
4thアルバムの「この場所に生まれた僕達は いつも何が出来るかを考えている」なんて、もうそのアルバムタイトルからして衝撃だった。そう、彼らはいつも、彼らにできる事を考えていたのだ。心の奥底に向き合っていたのだ。
大好きだったアンダーグラフから、少し離れていた
私は元々出不精なため、実はライブやコンサートに行くことは少ない。そんな私がアンダーグラフのライブにはたくさん行った。理由は単純で、私の分もチケットを取ってくれる友達がいたからだ。初めて「また会えるから」が披露されたときは泣いてしまった。「心の瞳」では、客の歌声をコーラスに使うということでツアーで録音した。もしかしたらあのときも泣いていたかもしれない。とは言えときは流れる。その友達も結婚し子供に恵まれたた。私も結婚し子供ができた。いつしかライブには行かなくなり、CDを聞く機会も減っていた。
真実をえぐる言葉は、時に重い
ライブはともかく、CDを聞く機会も減ってしまったのには別の理由がある。彼らの音楽は重いのだ。心に響くせいで、聞き流せない。辛いことがあって彼らの音楽を聞くと、救われると言うよりはむしろさらに引きずり込まれる気すらする。真戸原直人は、一時期曲を書けない時期があったそうだ。その苦しみを超えて作ったという「セカンドファンタジー」。これなんて「苦しみ」の塊だ。
今このブログを書きながら、「アンダーグラフ20周年なんだ」と妻に言ったら、「あ、あの暗い人ら?」と答えが返ってきた。えぇその通り、としか言いようがない。少なくとも能天気に頭空っぽで楽しむような曲ではないし、残念ながら聞いて救われるとか、元気になるというたぐいでもないように思う。けれども、一緒になって傍らに存在してくれる。悩んでいいんだよ、みんな悩むんだよ、と教えてくれる。孤独を共有することで、孤独から抜け出る一筋の光明が差してくる。
「真面目過ぎる君へ」
本日成人の日と言うことで、You Tubeでアンダーグラフの20周年記念ライブの配信があった。事前リクエストに答える形で曲を発表していたのだが、その第1位が「真面目過ぎる君へ」だった。流石にアンダーグラフファンのリクエスト、みなさんよくわかってらっしゃる。そう、私はやはり孤独ではなかったのだ。
あとがき
アンダーグラフ、20周年おめでとう!正直なところ、アンダーグラフ大好きだったなぁ。と、過去形になってしまう自分がいました。また久しぶりに聞いてみようっと。
ちなみに、元オリックス→阪神タイガースの葛城育郎選手はアンダーグラフの「9(ナイン)」と言う楽曲を出囃子に使っていたことがありました。その縁でしょう、コンサートで葛城選手を見かけたこともあります。ん?っと思って見ていたら向こうも目線を感じてこっちを見返してきたので、目があって少し気まずくなったのを覚えています(笑)
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コメント
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2020/01/31 00:04 by 編集
Re: No title
コメントありがとうございます!
そう言うのっていつまでも覚えていますよね。いい思い出として曲も一緒にあると最高です😃
2020/01/31 06:35 by あしゃお@管理人 URL 編集