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[ソロギター]夕景(長谷川郁夫)

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※2020/3/20 加筆再投稿
このブログでは、音楽やギターに関し思うところを言葉に綴ろうと言う無謀な試みを続けています。それが成功しているのか否か、自分ではなかなか判りません。しかし、その取組を通じて、自分の音楽や楽曲に対するスタンスが少しずつ固まってくるのを感じます。

とはいえ、スタンスが固まることが本当に望ましいのかはやっぱり分かりません。そんなときは、こんな曲を奏でると少し心が楽になります。※

夕景
作曲:長谷川郁夫



長谷川郁夫さん作曲の夕景を演奏いたしました。
この曲に関する長谷川さんの紹介文は下記のようになっています。

「文字通り美しく暮れゆく風景を描いていますが、一方でただ見つめることしか出来ず、手に入れることも時間を止めることもできない、もどかしいような切ないような気分も入り交じっています。」

あなたはどんな夕景を覚えていますか?どんな夕暮れを思い出すことができますか?私は、何故か遠い昔の夕焼けしか思い出せないのです・・。沈んでいく夕日をただ眺めていた時間、どこに忘れて来てしまったのかな。



本楽曲は、今は休止してしまったクラシックギター愛好家のための専門誌 Guitar dreamの No.28(2011年5-6月号)に掲載されたものです。余談になりますが、2011年3月の大震災の後でしたので、佐藤弘和さんが「力なきものはただただ祈るしかない・・」という想いで作曲された、「祈りの組曲」も掲載されていました。

音楽には、誤解を恐れずに言うならば、「頭を使い、構造解釈をすることで喜びや楽しみが深くなるもの」と、「理屈なく万人に心地よいもの」とがあるように思います。もちろん、両者は排他的ではなく共存可能なことは言うまでもありません。ここで紹介する「夕景」は、理屈抜きに胸にすーっと入ってくる、しかし構造はしっかりした両者の橋渡しになりうる名曲だと思っています。王道のコード進行の中にメロディ/裏メロディと和声が使われており、また倚音や下降クリシェなども盛り込まれています。こういった曲を、今後も大切に、心を込めて弾いていきたいと思います。


ところで、この曲と「風の詩」、そして「BLUE」三つ合わせてキーD三部作のようになってしまいました。^^;
暮れゆく風景、風のそよぎ、そして空と海の青。
美しい眺めを謳う3つ曲、異なる作曲家による曲がすべて同じ調性で書かれている。不思議ですけど偶然ではないのかも知れませんね。

2011/5/29 初投稿
2019/9/18 加筆修正再投稿
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コメント

ありがとうございます

「夕景」を作曲したはせがわです。
スパイシーというサイトで自分の名前を検索したら動画が出ていたので、はじめは同姓同名の方なのかななどと思ったのですが、クリックしたら自分の曲が流れだしたのでびっくりしました。

初めこそびっくりしましたが、
大変感激し、うれしく思いました。

それは麻尾さんがとても丁寧に
情感を込めて演奏してくださったからです。
すごくイイ感じが出ていますね。

わたしはいわゆる職業的な作曲家ではありませんので
面識のない方がこうしてわたしの曲を演奏してくださるのは初めてでした。
音楽でつながり、広がってってゆくようなこの感覚は
非常に新鮮でエキサイティングに感じました。

麻生さん、どうもありがとうございました。
よろしかったらどうかこれからもこの曲を弾いてやってください。

Re: ありがとうございます

> はせがわ先生
管理人の麻尾です。
嬉しいコメント、ありがとうございます。

Guitar dreamを購入して、掲載されていた先生の楽譜を拝見し、弾いてみてすっかり虜になりました。
勝手に演奏を公開しており申し訳ありません。けれども、こんな繋がりのきっかけとなれたことを嬉しく思います。曲のよさを損なわない演奏になっていればいいのですが…

これからも引き続けさせていただきたいと思っております。こちらこそ、宜しくお願いいたします。
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